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安曇野で印刷会社と詩人が企画展 ゆがんで映る空間、五感で楽しんで

2人で手作業で仕上げた空間

2人で手作業で仕上げた空間

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 松本の印刷会社「藤原印刷」(松本市新橋)と、詩人・ウチダゴウさんのコラボ企画「ぶんしんするし、しんぶんするし」が現在、安曇野・穂高有明の「SHITEKI NA SHIGOTO Gallery(してきなしごとギャラリー)」(安曇野市穂高有明、TEL 090-8057-5661)で開催されている。

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 ギャラリーの壁には、鏡面のような光沢があるコンパッソという紙を張り巡らせ、来場者の姿が映るギラギラした空間を作った。ウチダさんが同展に合わせて書き下ろした詩「もへじとむられ」は、新聞紙に近いザラッとした手触りのタブロという紙に印刷し、大きさもタブロイド紙サイズにした。逆さ文字になっており、壁に映すと読めるようになる。「以前、電車の中で新聞を読んでいる人の姿を見て、詩もこんなふうに読んでもらえば面白いと思った」とウチダさん。貼った紙にはゆがみや凹凸があるため、いびつに映し出される。「動いてみて、文字も自分の姿も『いい角度』を見つけてほしい」とも。

 同社では、「より多くの方に紙や印刷の魅力を伝えたい」と創意工夫を凝らした展示「いんさつはたのしい」を企画。昨年11月に富士見町の「富士見森のオフィス」で初開催した。当初、各地を巡回する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で断念。同ギャラリーが2回目となる。ウチダさんの「詩に対して、柔らかい、読みやすい、優しいイメージを持っている人が多いので、逆のことをやりたい」という思いをベースに、数ある紙見本の中からコンパッソを選び、準備を進めてきた。同社営業部の宮本善太郎さんは「普段なかなかできないことを試せる場でもある。紙や印刷の面白さを感じるきっかけになれば」と話す。

 来場者は、思い思いに動きながら展示を体感しているという。「書いてある文字だけではなく、見方、感じ方、考え方もひっくるめて詩だと思う。能動的に動ける展示空間なので、五感で楽しんでもらえれば」とウチダさん。

 開催時間は13時~17時(土曜・日曜は11時~、最終日は15時まで)。5月13日、21日は休み。今月23日まで。入場料は500円。22日、23日は飲食店の出店、23日は詩と建築をテーマにしたトークイベント(事前予約制)も行う。

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