松本市の中心市街地で1月10日・11日、新春恒例の「松本あめ市」が行われ、15万人の人出でにぎわった。
「松本あめ市」は戦国時代に武田信玄が治めていた信濃に、上杉謙信から送られた塩が松本に届いたのが1月11日と言われ、それを記念して始まった「塩市」が起源。その後江戸時代にあめを売る店が出始め、「あめ市」と呼ばれるようになった。
11日には本町、中町、伊勢町などの各通りが歩行者天国となり、時代行列、みこしなどが練り歩いた。各町会では太鼓の演奏やおしるこ、豚汁なども販売し、鍋の振る舞いやテレビなどが当たる抽選会には長い行列ができた。イベントに先立ち、菅谷昭(すげのやあきら)松本市長は「暗い話題が多い中、このあめ市が新年の幕開けとなってほしい」とあいさつした。
沿道には、縁起物の福だるまや福あめの出店が立ち、販売を手伝う町会の子どもたちが、道行く人に「いらっしゃいませ」「だるまはいかがですか」と元気よく声をかけていた。
メーンイベントとなる、上杉勢と武田勢に分かれて行う綱引きの「塩取り合戦」は、一般の参加者を含め約400人が対戦。会場となった本町通りは人だかりとなり、中央2丁目交差点に置かれた塩俵から北側の綱には上杉勢、南側には武田勢が陣取って気勢を上げた。多くの観衆が見守る中で3回勝負の熱戦が行われ、2連勝した武田勢が2年連続の勝利を収めた。