信州大学(松本市旭3)は現在、JR東日本長野支社と連携して観光課題の解決について取り組む「課題解決実践ゼミ2020」を実施している。
次世代の観光産業の担い手育成を目指し、共通科目として初めて開講。インバウンド観光の現状把握や課題解決、インバウンド向けカウンターの活用方法、沿線の観光素材の掘り起こし、駅や列車を活用した観光訴求など4つの課題を設定し、学生たちはJR松本駅を起点として、現場を意識しながら課題解決に向けた提案を行う。
昨年9月にプレイベントとして松本駅を視察。10月からは同支社の職員を迎えた講義を開いてきた。現在は、8つのチームがそれぞれテーマを決めて取り組みを進めている。
その中の一つ「駅タグ!プロジェクト~まごの手情報の新たな共有方法の提案~」は、2月6日・7日の2日間、松本駅内のインバウンド向けカウンター「JR EAST Welcome Center MATSUMOTO」で実証実験を行った。「駅タグ!」は、フリーWi-Fiや、特急あずさの車内設備の案内など、外国人観光客が必要とする情報を記載したもの。松本城や特急あずさをデザインした2種類を用意した。
当初は外国人観光客を対象に調査する予定だったが、予想以上に新型コロナウイルス感染症の影響が長期化したため、県外出身の同大学生に協力を求めて実施。感想もネット上のアンケートフォームから募ることにした。同大経法学部2年の宮崎愛斗さんは「まずは第1弾として、観光客視点での感想や意見を集め、段階を踏んで最終目標である外国人観光客に向けたものにしていきたい」と話す。
「駅タグ!」の参考にしたのは、昭和時代のラゲッジタグ。宮崎さんは旅行好きだという年配の知人からもらって初めて知ったという。「以前は旅館ごとに作っていたと聞いて、新鮮に感じた。当時の文化を伝えたいと考え、レトロなデザインに仕上げた」。タグに描いた松本城や特急あずさは、消しゴムはんこを使っている。
2月16日には、各チームが取り組みをまとめて、オンラインで報告会を行う。「オンラインで配信するので、学生ならではの提案を多くの人に見てもらえれば」と宮崎さん。
オンライン報告会は13時30分~16時30分。視聴の申し込みはウェブで受け付ける。締め切りは15日17時。