安曇野市在住の詩人・ウチダゴウさんによる朗読会「花とボタンホール2020」が12月19日、松本・中町の「ONTADE」(松本市中央2、TEL 0263-31-0031)2階で行われる。
当日は2部構成。第1部では、ウチダさんが主宰する詩の教室の生徒、佐藤空さんと松本美佳さんが詩を朗読する。第2部では、今月出版するウチダさんの自選詩集「鬼は逃げる」(三輪舎)をはじめとした詩の朗読と、三輪舎代表の編集者・中岡祐介さんをゲストに迎えたトークを開催。第2部はオンライン配信も行う。
2018(平成30)年からクリスマスに合わせて開催している朗読会。ウチダさんは「この1年を懸命に生きてきた人たちへ、その営みと存在に対して感謝の気持ちを伝える朗読会」と位置付ける。ボタンホールとは、スーツの襟にある穴のこと。フラワーホールとも呼び、19世紀、英国貴族の間ではパーティーに招いたホストがゲストに感謝の気持ちを表すために花を挿して迎え入れていたという。会場は以前、テーラーだった建物で、2階は作業場だったということにちなんでイベント名を付けた。
当日は「鬼は逃げる」の先行販売も行う。今年4月に開業10周年を迎え、「固定観念や定義の枠を超えて活動し続ける『してきなしごと』の姿を表現するために、10年間執筆した膨大な量の詩の中から、一つの朗読会を開くように50編をよりすぐり、まとめた」とウチダさん。「詩を選び、エピソードを書き下ろすうちに、この本を読んだり朗読を聞いたりして、特に10~20代の若い人たちに『勝手に生きていいんだ』と気付いてほしいと思うようになった」と話す。
今年は、詩集「空き地の勝手」(2012年)の再版や続編となる「原野の返事」の刊行、東御市に工房を構えるチョコレートブランド「OJAS PURE RAW CHOCOLATE(オージャスピュアローチョコレート)」とのコラボなど幅広く活動。「自分で疑問を持ち、考え、仮説を立てて、実践して、結果を検証して、また疑問を持って…という本来すべき一連の営みができる人は生き抜けるということがコロナ禍で顕著になった。自分自身も、もう少し頑張りたいと思ったので、春ごろからエンジン全開でやってきて、結果、次のフェーズにいけたように思う」と振り返る。締めくくりとなる朗読会は、軽食の提供はせずに、消毒やマスク着用など感染症対策をして開催する。「この朗読会も気を許すわけにはいかないかもしれないが、心の自由はどこまでも解き放つことができるよう、朗読をしたい」とも。
19時開場、19時30分開演。参加費は3,000円、オンライン配信視聴は2,000円。申し込みはウェブサイトで受け付ける。