松本市と上田市を結ぶ国道254号の三才山トンネル有料道路と、松本トンネル有料道路が9月1日0時に無料開放される。
中信地域と東信地域を結ぶ交通の円滑化に向け整備された両有料道路。三才山区間(約8.5キロ)は1976(昭和51)年、松本区間(約6.6キロ)は1994(平成6)年に開通。それぞれ普通車は520円、320円(社会実験で日中は100円)の通行料金がかかる。
総事業費は約209億円で、当初無料化は来年6月を予定していたが、9カ月の前倒しとなった。無料化に合わせて、両道路の料金所近くにある公衆トイレは同日から使用できなくなり、料金所と合わせて撤去する予定。
管理・運営する長野県道路公社が昨秋、無料化を発表。その後は電光掲示板などで周知を図ってきた。三才山トンネルの料金所には先週から「長い間ご利用いただき誠にありがとうございました」という横断幕が掲げられている。
松本地域から上田地域へ向かうメインルートとして利用される三才山トンネルは、松本市民にとってなじみが深く、SNS上には無料化に触れる投稿も多い。行き来しやすくなることを喜ぶ声や、カウントダウンツーリングを行う告知のほか、記念に撮影した領収書や回数券の写真も。ETCが使えず、通行の際には料金所内の職員に現金や回数券を手渡ししていたため、あいさつなどのやり取りがなくなることを惜しむ声もある。
今後は県松本建設事務所と県上田建設事務所が道路管理者となる。有料道路回数通行券の未使用分は9月1日から三才山トンネル有料道路管理事務所(11月30日まで)、県道路公社本社(来年2月26日まで)の2カ所で払い戻しを行う。市町村で扱う時間帯割引回数通行券は各市町村に問い合わせを。