松本青年会議所(JC)は、打ち上げ花火を8月29日、松本市内の複数の場所で実施する。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各種イベントが中止になる中、子どもたちの夏の思い出になることをしたいと企画した。長野県が昨年、県花火組合が生産する手作り打ち上げ花火を県の伝統的工芸品に認定したこともあり、地域の伝統風景を守っていきたいという思いや、鎮魂や復興の祈りも込める。打ち上げ場所は密集を避けるために事前告知はしない。同会議所郷土の未来選択委員会の横井和雄委員長は「集まることはできないが、皆で同じ空を見上げる時間を夏の思い出にしてほしい」と話す。
打ち上げる花火玉に、願いやメッセージを書いてもらう取り組みも実施。JCと華松煙火(松本市島内)のメンバーが松本市源池小学校や、市内の中間教室、児童養護施設などを訪れた。
15日と22日には、アイシティ21(山形村)でメッセージ集めと募金活動を行った。花火玉に巻く紙には、「来年はきれいな花火が見られますように」「家族が幸せに暮らせますように」「コロナが終わりますように」などの思いが寄せられた。花火や動物の絵を描く子どもたちの姿も見られた。
紙は重ねて花火玉に巻き付け、当日は神社に祈とうして一玉を納め、残りを打ち上げるという。横井さんは「思いを込めたメッセージを一緒に打ち上げることで、皆で作り上げるイベントになれば」と期待を寄せる。
打ち上げ時間は20時~。悪天候の場合は30日に延期する。