書店とドライフラワーの店「枯淡苑(こたんえん)」(松本市開智2)が7月20日、松本城北側にオープンした。
下宿に使われていたという築90年ほどの建物を、元の雰囲気を生かしたまま改装。照井元貴さんが古本をメインに扱う書店「cotan books」を、妻のあかねさんがドライフラワーを扱う「wildswag(ワイルドスワッグ)」を営む。
「cotan books」のコンセプトは、「インターネットとうまくつきあう」。店内には「インターネットによりそう」本棚と、「インターネットとはなれる」本棚が並ぶ。「インターネットを活用すること、おのずと距離を取ること、どちらも大事だと思う。弊害はあるが利点もあることを伝えることができれば」と元貴さん。
「wildswag」は、ブーケやガーランドなどを用意する。素材はできるだけ地元のものを使用。「道端に咲いているものもかわいらしい。松本の自然を感じられるものを作っていきたい」とあかねさん。いずれは、街歩きをしながら草花を集めて制作するワークショップなども企画していきたいという。
東京で暮らしていた2人は、いずれ地方に移住しようと考えていたという。IT会社に勤めていた元貴さんは東京での生活を「新しいものが次々とやってくる速度に慣れてしまうと、見失うものがあると感じていた」と振り返る。昨年4月に行われた「第4回まつもと一箱古本市」に出店したことがきっかけで、夏には松本へ移住。本のイベントなどに参加しながら、開業準備を進めてきた。
店名の枯淡は、世俗に流されず、趣があるという意味を持つ。「ほかに誘導されることなく、自分のペースで情報を得ることができるのが本の良さ。ふらっと立ち寄ってぼんやりして、何か気付きがあるような場所になれば」と元貴さん。
営業時間は13時~19時。火曜~木曜定休。