松本市内の商店のアイテムをセットにした「ほっかり松本おさんぽ便」が現在、販売されている。
「山屋御飴所」(松本市大手2)の定番3種類のあめを詰めた「御あめミックス」と、「Chez Momo(シェモモ)」(大手4)のラズベリーとグレープフルーツのコンフィチュール、「かまくらや」(島立)のそばかりんとう、「珈琲(コーヒー)茶房かめのや」(大手4)のコーヒードリップパック3種類、「女鳥羽(めとば)の泉」の湧き水を使った「松本サイダー」を入れる。企画した曽根原和花さんは「松本に戻ってきて、散歩しながら見つけた魅力的なアイテムを詰め合わせた」と話す。
曽根原さんは松本市出身。今春、東京の大学を卒業して与論島のゲストハウスで働く予定だったが、新型コロナウイルスの影響で内定が取り消されて帰郷した。「絶望したが、同時にチャンスかもと思った」と前向きに捉え、「どこにも行けないなら、近くのことを知ろう」と緊急事態宣言が明けてから、街歩きを始めた。
大学では社会学を専攻。フィールドワークなどで、地域の人たちに話を聞いたことが「おさんぽ便」のヒントになったという。「高校時代までは、買い物は大型店へ行っていた。歩いてみて初めて、個人店に気が付いた。話を聞いてもらったり、ほかの店を紹介してもらったり、企画書についてアドバイスをもらったり…皆さんのおかげで『おさんぽ便』が完成した」と曽根原さん。
箱には、思い出の場所も紹介した「街歩きマップ」と、企画の経緯や思いをつづったチラシ、「松本の空気を感じてほしい」と、空気を入れたビニール袋を緩衝材代わりとして入れる。マップには、曽根原さんが出会った人たちからのコメントや店の様子が見られる動画のQRコードも入れた。
「今まで街を歩くときは『無』の状態だったが、出会った人がいることで、いろいろ思い出して、温かい気持ちになる」と曽根原さん。その「ほっこり」する気持ちをベースに「ほっかり便」と名付けた。今後はまだ何も決めていないというが、「いままでいろいろな土地に行ったので、落ち着いたらまた行きたい。各地の『おさんぽ便』を作ることができたら」と笑顔を見せる。
価格は2,800円。購入はメールまたはフェイスブックで予約する。