松本の老舗パブが30周年-オーナー囲み思い出のスコッチ味わう

堀内さん(写真右)とモルトの会のメンバー

堀内さん(写真右)とモルトの会のメンバー

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 松本駅前、新伊勢町通りにあるパブ「摩幌美(まほろび)」(松本市中央1、TEL 0263-36-3799)が12月10日、30周年を迎えた。当日は同店で毎月開催している「モルトの会」も行われ、多くの常連客が店の記念日を祝った。

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 同店はオーナーの堀内貞明さんが1978年、コンサートやイベントの運営団体のまとめ役をしていた時に、スタッフやミュージシャンの集まる場所として現在より50メートルほど西側の場所にオープン。店内で定期的にライブを行うなど、アマチュア音楽の発表の場として、また多くの音楽愛好家が集まるパブとして営業していた。当時は国産を中心に「ロバートブラウン」「エンブレム」「パスポート」などのウイスキーを主に取り扱っていたが、輸入品は関税も高く、最も高価な「ローヤル・サルート」は45,000円もしたという。

 その後、ウイスキーの関税が下がり、スコッチ・ウイスキーを多く取りそろえ始めたのがオープンから10年目のころ。スコッチ・モルト・ウイスキーを好む人が増えたことから、1996年からは定期的な会として「モルトの会」をスタート。2003年には以前の店舗の雰囲気を保ったまま、現在の場所に移転した。

 「モルトの会」は今回で140回目。当初は手に入りにくい希少なものを楽しむ目的で行われていたが、現在は毎回テーマを決めて、さまざまな種類のスコッチ・ウイスキーを楽しむ。「摩幌美は私の人生の一部。かけがえのない場所」と話すのは会長の大倉健一さん。この日は同店の原点ともいえる「ローヤル・サルート」を味わいながら、30年の節目を祝った。

 同店では、30周年記念としてスコットランドのアイル・オブ・アラン蒸留所に持つたるから瓶詰めしたウイスキー240本と、「グレン・ファー・クラス 35年」のプライベートボトル特別版30本を用意したが、いずれもすでに完売した。

 堀内さんがウイスキーにあこがれたのは中学生のとき。「友人宅に行くと応接セットにスコッチ・ウイスキーの瓶が並んでいるのを見て『かっこいいなあ』と思ったことから」だという。今は年に1度、スコットランドを訪れて各蒸留所を巡り、交流を深めている。

 「35年、40年へ向けて頑張ろうという気持ちはあるが、30年が終わったなという寂しさもある」という堀内さん。「オープンのころは音楽を通して、今はスコッチを通して多くの人の輪ができた。皆、お客さんを通り越して大切な仲間。この仲間がいる限り続けていきたい」(同)とも。

 営業時間は19時~24時。日曜・祝日定休。

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