「ちゃんと『音』を聴く爆音映画祭2019in松本」が、まつもと市民芸術館(松本市深志3)小ホールで10月18日~20日、開催される。主催はNPO法人「コミュニティシネマ松本CINEMAセレクト」。
2008(平成20)年に東京で始まり、全国各地で展開されている爆音映画祭。松本では3回目の開催となる。音楽ライブ用の音響設備一式を事前に持ち込み、プロデューサーの樋口泰人さんが一作品ごとに「音」を作る。樋口さんは「各地の公共施設などで開催されているものは、俄然主催者の意図が色濃く出る。特に松本は徹底している。わたしはこれを上映したいし皆さんに観ていただきたいのだという意思が、そのラインナップに脈々と波打っている」(原文ママ)とコメントを寄せる。
3日間で上映する12作品は、傑作や名作と呼ばれるものから最新作まで、多彩なセレクト。オ-プニング作品の「狼煙が呼ぶ」(2019年、日本)は、爆音初上映。豊田利晃監督による16分間の短編映画で、先月には1週間限定で全国上映された。アフタートークでは、豊田監督と出演した切腹ピストルズ隊長さんが登壇する。
「典座 -TENZO-」(2019年、日本)も初の爆音上映。「カンヌ国際映画祭」批評家週間「特別招待部門」正式出品作で、青年僧侶たちの悩みを描き現代における信仰の意味を問う。塩尻市の曹洞宗無量寺の住職・青山俊董さんも出演。アフタートークには富田克也監督を招く。浄土宗の僧侶でもある同NPOの宮崎善文理事長は「仏教的にもいいが、それを超越した感じのある作品。般若心経、ラップ、神楽が奏でる見事なアンサンブルを、爆音で見てほしい」と話す。
「アナと世界の終わり」(2017年、アメリカ・イギリス合作)、「きみの鳥はうたえる」(2018年、日本)、「サマー・オブ・84」(2017年、カナダ)、「さらば青春の光」(1979年、イギリス)など初爆音上映となる作品も多数そろえるほか、30周年の節目となる、塚本晋也監督の「鉄男」(1989年、日本)、「鉄男II/BODY HAMMER」(1991年、日本)も。宮崎さんは、「過去に見ていても、『爆音上映』で、聞こえていなかった音の存在に初めて気が付く。ここでしか見られない、聞けない、唯一無二の上映になる」と来場を呼び掛ける。
チケットは、前売り=1,500円、当日一般=1,800円、大学生以下=1,600円。「狼煙が呼ぶ」は1,800円(当日券のみ)。チケットの詳細と上映日時はホームページで確認できる。