若者の政治への関心を高めたいと立ち上げた信州大学の学生団体「VOTERS(ボーターズ)」が7月3日、各党の県の代表者らによる公開討論会を同大松本キャンパス(松本市旭3)で開いた。
自民、公明、立憲民主、国民民主、共産、維新、社民の代表者ら7人が出席した。各党代表者演説の後、一問一答形式の討論では、学生の関心が高い問題として「税制を含めた経済政策」と「憲法改正」について、党の考えを話した。その後、政党間の質疑応答も行われ、限られた時間で主張を伝えようと熱がこもる場面も見られた。
会場からの質疑応答の時間も設けた。学生からは「G20でトランプ大統領から『もっと譲り合いを』という話があったが、日米安保条約はどうなっていくと考えているか」「野党共闘と聞くが、政権を取ったときにはブレブレになるのでは?」「これまでオリンピック後に景気低迷することが多いが、その対策は?」などの質問が寄せられた。
「VOTERS」は今年5月に発足。現在は、12人のメンバーが学習会を開いたり、市の選挙管理委員会に話を聞きに行ったりして、選挙制度について学びを深めている。公開討論会は、「学校生活の中で選挙や政治に触れるきっかけになれば」と企画。チラシを作り、授業でも呼び掛けて参加者を募った。代表の医学部2年・田村大地さんは「参議院選挙に向けて大学生が政治に関わりやすい環境をつくりたいと思った」と話す。
討論会は約150人が参加し、そのうち80人以上が学生。「学生が多く占めたことがうれしい。難しい言葉や数字も飛び交い、理解しきれない部分もあったかもしれないが、今日、参加した人が今度は周りの人と話して、学校で政治を語れる雰囲気をつくっていければ」と田村さん。今後は、選挙管理委員会と共に投票を呼び掛けるための街頭ティッシュ配りや、県外出身の学生向けに不在者投票手続きについての相談窓口を同大の中央図書館に設置することを予定。将来的には、学内で期日前投票や不在者投票ができるようにしたいという。「一人一人が『こういう世界になってほしい』と考え、政治に参加できるような環境をつくっていきたい」とも。