松本・深志の天神通りにカフェ「Larch(ラーチ)」(松本市深志2、TEL 0263-87-3862)が2月2日、オープンした。
店舗面積は約25坪、席数は1、2階合わせて21席。古い長屋をリノベーションした店内は、椅子やソファ、照明や雑貨などにもこだわり、ゆっくりくつろげる空間に仕上げた。オーナーは「20代の女性が親しみやすい雰囲気を意識した」と話す。
注文を受けてから一杯ずつ入れるハンドドリップコーヒーは、「豆が持つフルーティーな味を楽しんでほしい」と浅煎(い)りの豆を使う。4、5種類用意する「シングルオリジン」のほか、「2種飲み比べセット」も。
自家製のタルトは日替わりで提供。果物はタルトに合うものを選び、できる限り地元産を使う。店長は「コーヒーとのペアリングを楽しめるようにした」と話す。食事は甘口の「レモンクリームカレー」とスパイスの効いた「キーマカレー」を用意する。
2人は共に「いつか松本で店を開きたい」という思いを持っていたが、オーナーは信州大学大学院卒業後に東京のコンサルティング会社に就職。店長は松本で働きながら、休みの日には上京して何十軒も店を巡り、その様子をオーナーに語っていたという。「コンサルの視点からも、20代で店を持つのは厳しいのではないかと思っていたが、『カフェをやりたい』という熱が伝わってきた」とオーナー。昨夏、松本に戻ってくるタイミングで、本格的に開業を考え始めた。
11月には物件を決め、内装やメニューについても検討。「同世代の女性が喜ぶもの」「ほかの店にはないもの」としてタルトに決めた。タルトに合うコーヒーを探し、「今までにないコーヒーで、これなら相乗効果で楽しんでもらえる」と東京・神保町の「グリッチコーヒー」にたどり着いた。
店内でゆったり過ごしてもらおうと、キャッシュオンスタイルを取る。「お客さんとの距離感を大事にしている。最後に店を出るときに声を掛けるくらいで、友達の親しさと単なるお客さんの中間くらいを目指したい。量より質を重視して、自信を持って提供したいので、もう少し余裕が出てきたら、焼き菓子などメニューも増やしていければ」とも。