オーストリア・ウィーン在住のアーティスト、Carina Papouschek(カリナ・パポーシェク)さんの個展「現実のはざまで」が現在、松本・中町の「蔵シック館」(松本市中央2)で開催されている。
日本では初の展示。キャンバスいっぱいに大胆に描いた多色使いの作品や、黒一色で描いた作品など、約50点が並ぶ。アクリル絵の具やスプレー、ラッカー、インクなどさまざまな画材を用いて描くパポーシェクさん。松本の風景や会場を撮影した動画や写真から、刺激を受けて制作した作品もあるという。
パポーシェクさんは同展に合わせて初来日。「日本は、来場者が自分のペースで静かにじっくり見る。オーストリアは、パーティー形式でにぎやかなので、全く違っていて面白い」と笑顔を見せる。1888(明治21)年に建てられた母屋・土蔵を活用する同館での展示については、「自分の作品とのコントラストが面白い」と話す。
同展実行委員会の清水克也さんが、昨年6月から半年ほどウィーンに滞在。その際に、パポーシェクさんの作品と出合い、「日本でも見てもらいたい」と企画した。「自分はずっと転勤族だったので、帰国後どこに行こうか考えて、以前しばらく暮らしていた松本に決めた。松本は、アートや音楽が根付いていて、文化が自然と溶け込んでいる」と清水さん。半年ほど前に移住し、展示の準備を進めてきた。
12月1日・2日には、バイオリニスト・山下果歩さんの演奏会も開催。作品からインスピレーションを得て選んだ曲を披露する。「音楽も一緒に楽しんでもらえれば」と清水さん。「これからも、海外と日本が芸術を通して交流できるような支援をしていきたい」とも。
営業時間は10時~17時(最終日は16時まで)。12月4日まで。演奏会は両日11時~、15時~。