実演やワークショップなどでクラフトと触れ合うイベント「クラフトピクニック」が10月13日・14日、松本・あがたの森公園(松本市県3)で開催された。主催はNPO法人松本クラフト推進協会。
木工、ガラス、染色、陶磁器などのクラフト部門と食品部門を合わせた約90組がワークショップや実演をメインに出展。会場内には、木を削ったり、ラグを織ったりするワークショップや、糸紡ぎやカゴ編みの実演などさまざまなブースが並んだ。出展者同士で隣にブースを構えてコラボするケースも見られた。
紙やすりを使って磨き上げて作る「木のいしころ」や、芝生の広場で飛ばす「ハンドランチグライダー」に熱中する子どもたちの姿も。初めてノコギリを使うという子どもに手を添えて、一緒に黒板作りに取り組む父親、時間を掛けて革のバッグを縫い上げる女性グループなど、それぞれがものづくりを楽しんだ。
今年の招待出展はわら細工を通して地域活性化と稲作の振興に貢献する活動を行う「南信州米俵保存会」(上伊那郡飯島町)。米俵を作る職人が年々減少する中、技術継承を目指して20~30代の若手を中心に、2015年6月に設立した。代表社員の酒井裕司さんは「わら細工の歴史は、米の歴史でもある。職人の高齢化が進む中、伝統技巧を途絶えさせるのではなく、受け継ぎ、発展させていきたい」と話す。
当日は、猫つぐらと、米俵のこもや桟俵(さんだわら)を作って組み立てる実演を行った。足をとめて珍しそうに見入る人や、完成品の猫つぐらを手に取ってみる人も多く、「幅広く活動を知ってもらえる機会になればうれしい」と酒井さん。
今年で17回目となる同イベント。毎年5月に行われる「クラフトフェアまつもと」の姉妹イベントに位置付け、「ものを使う人と作る人が出会い、ものづくりの過程を楽しむ」ことを目的にしている。事務局長の藤井雄介さんは「天候にも恵まれて良かった。子どもから大人まで、思い思いにものづくりを楽しんでもらえる場になれば」と話す。