松本市の市民有志らがつくる「松本城学習帳委員会」が作製した寄付金付きのオリジナルご当地ノート「国宝松本城学習帳」が現在、松本城の売店で販売されている。
表紙は松本城の写真、裏表紙は年中行事を紹介。表紙の内側には、お城についての説明を英語と日本語訳で載せる。ノート部分は、8ミリの横けい線で、松本城の絵柄も印刷。販売1冊につき10円を松本城の保存維持活動のために市教育委員会に寄付する。
昨年4月、市内の印刷会社に勤める大沢麻由さんが「もっといろいろなご当地土産があればいいのではないか」と市ホームページ「市長への手紙」から製作を提案。その後、市の担当者から連絡があり、実行委員会を立ち上げて作製に向けて準備を始めた。「多くの人がさまざまな活動をしてきたから今の松本城がある。単なるノートではなく、そういう面も伝わるものにしたかった」と大沢さん。松本城管理事務所や市教育委員会とも話し合いながら、1年かけて販売にこぎ着けた。
4月25日から販売を開始。現在は松本城の売店のみの取り扱いだが、「観光客だけではなく、市民にも使ってほしい」と、販路拡大にも力を入れる。扱いやすさを考慮し、委託販売の形で入荷ロスを減らしたいと検討している。同実行委員会の小澤英俊さんは「子どものころから松本城のことを身近に感じられるよう、小学校などでも使ってもらえればうれしい」と話す。
今後は改訂を重ねながら、「息の長い活動にしたい」と2人は声をそろえる。「松本城は地元の人たちにとっては思い入れがある特別なもの。保存活動の意識の底上げにもつながれば」(大沢さん)とも。
B5判64ページ。価格は300円。問い合わせは小澤さん(TEL 090-2499-6269)まで。