信州大学の学生が、3月にマレーシア・クアラルンプールで行われる学生向けビジネスコンテスト「ハルトプライズ」の海外地区予選に出場するための準備を進めている。
同コンテストは、2009年にスタート。世界150カ国以上、1万人以上の学生が参加して各チームのアイデアをプレゼンテーションで競い合う。優勝チームには100万ドル(約1億1,000万円)が活動資金として与えられる。今年のテーマは「エネルギー問題」。選考は1年かけて行われ、学内予選を勝ち抜いたチームがオンライン審査を通過すると、約600チームが参加する海外地区予選に進出。各会場での予選を通過した約50チームが、イギリスで行われる8週間の「アクセラレータープログラム」に参加し、そこからファイナルに進んだ6チームの中から優勝が決まる。
同大は今回が初参加。昨年9月末、繊維学部1年・川内萌恵さんがキャンパスディレクターとしてサークルを立ち上げ、学内予選に向けた準備を始めた。「SNSで情報を知り、軽い気持ちで立ち上げたが思った以上に大変だった。それでも、何かに挑戦しようとしている学生の後押しをしたかった」と川内さん。運営は1年生が中心で、本部と連絡を取ったり、資金集めのために地元企業に声を掛けたりしたが、「初めてのことだったのでどうすればいいか分からないことも多く、周知に苦労した」と言う。
学内で11月に説明会、12月に予選を実施。尿から発電する発電機を開発するアイデアを発表した、理学部1年の3人によるチーム「Do Eshum(エシューム)」が代表に選ばれた。同チームの宮村優希さんは「普段から、目にする海外ニュースは先進国のことが中心であることに疑問を感じていた。世界にはその日を生き延びることすら困難な人が12億人以上もいる。そういう人たちの力になりたいという思いから、アイデアを練っていった」と話す。
世界地区予選は、今月16日・17日にマレーシア・クアラルンプールで開催。現在、渡航費と滞在費に充てるクラウドファンディングを行っている。目標金額は60万円。
「勝ちたい気持ちはもちろんあるが、自分たちなりのこだわりを貫いた、攻めのプレゼンを見せたい。それに結果が付いてくれば」と宮村さん。「何かに挑戦しようという学生は少ない。チャレンジャーを大切にしたいという気持ちを支援してもらえるとうれしい」と川内さん。