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松本のギャラリーカフェで「熊谷俊行作品展」 20年の「カケラ」でコラージュも

20年前の作品から最新作までが並ぶギャラリー内

20年前の作品から最新作までが並ぶギャラリー内

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 松本市のギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」(松本市深志3、TEL 0263-39-5556)で現在、同店オーナー・熊谷俊行さんの個展「熊谷俊行作品展」が開催されている。

復刻した「家に帰るフネ」

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 木版画やアクリル画、バッジやオブジェなどの木工雑貨など約80点を展示する。新作は、過去に制作した木版画の版木や試し刷り、金属を組み合わせたコラージュ作品。「モザイクのようなものを作りたいというイメージがあった」と熊谷さん。アトリエで保管していた、カットした状態の版木などを用いた。「ここ20年のもので構成できたら面白いと思った。これまでの作品の『カケラ』で生まれた作品」

 今回、最も古い作品は1997年の木版画。「仕事場をゴソゴソしていたら出てきた。かなり気恥ずかしいが、20周年記念ということで展示することにした」。ほかに、上に小さな家が載った「おうちの箱」や、一昨年にはまったという「ウミウシ」のバッジなども並ぶ。

 同展に合わせ、2011年の東日本大震災後に作った木製のオブジェ「家に帰るフネ」も復刻。「いまだに多くの方が行方不明という現実に、いつか必ず家に帰れますようにという思いを込めた」と話す。

 もともと絵を描くことが好きだったという熊谷さん。「何となく、という感じで美大に進んで、3年生のときに版画と出合った」と振り返る。卒業後は、働きながら制作活動を続け、松本に戻ってきてからは上松技術専門校(木曽郡上松町)に通った。「家具作りの道へは進まなかったが、こうして考えてみると、『木』とのつながり、相性が合っていたのかもしれない」

 妻の幸枝さんと同店を開業したのは2001年9月。両立が難しく、しばらく制作は止めていたが、アトリエを借りて活動を再開。2008年には6年ぶりに個展を開いた。「サラリーマン時代に作品を作り始め、今も店をやりながら作っているので、ずっと二足のわらじ状態(笑)」と熊谷さん。開業前に陶芸教室で知り合った人や、一緒にグループ展をした作家の娘が、時を経て個展を開くなど、さまざまな縁が同店を支えているという。「これからも、マイペースで続けていければ」とも。

 価格は、コラージュ=4,200円~、オブジェ=600円~、バッジ=1,800円など。営業時間は11時~20時。火曜と第1・第3・第5月曜定休。8月28日まで。

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