松本・裏町を散策して看板を観察することで地域づくりを考えるプロジェクト「裏町看板学講座」が東部公民館(松本市女鳥羽2)で行われている。
裏町は、スナックなどが軒を連ね、地元では「夜の街」のイメージがあるエリア。以前のにぎわいが薄れ、空き店舗が目立つようになってきていたが、近年は「鯛萬小路」や「はしご横丁」に新たに出店する店も増え、再び注目が集まりつつある。
同講座は市教育委員会が取り組む「景観から地域づくりを考えるプロジェクト」の一環。全4回の予定で、裏町を散策したり、昔のことを知る人の話を聞いたりしながら、魅力を探る。コーディネーターを務める都市計画家・倉澤聡さんは「裏町周辺のことを皆で考えるときに、時代の流れを感じることができる看板を手掛かりにするのも面白いと思った。看板を含め、今のうちに記録に残しておきたいという気持ちもある」と話す。
初回となる11月26日は、約20人が参加した。看板の写真を撮ったり、店の人の話を聞いたりしながら、メインの通りから細い路地まで2時間ほどかけて散策。同公民館に戻り、撮影した写真をスクリーンに映しながら、印象を話し合った。「(スナックなどの)人の名前の看板や、かわいらしい看板など面白いものがたくさんあった。夜になるとどうなるのかも気になる」「並んでいる看板のサイズの違いに、作った当時の思いを感じる」などのほか、「閉店した店の看板だと思うが、消していたり、裏返しになっていたり。『裏町』だからこれで営業していたら面白い」という感想も。
コメンテーターを務めた建築士の長谷川繁幸さんは「世の中に対して語り掛けている看板はエネルギッシュ。改めてすごいと感じた」と振り返った。「自分の中で分類してみるのも面白い。次回以降も楽しみ」とも。
今後は「看板歴史学」(12月7日)、「看板まちづくり学」(同14日)、「看板文学」(同20日)を予定する。参加無料。申し込み・問い合わせは同公民館(TEL 0263-36-8565)まで。