まつもと市民芸術館(松本市深志3)と市民が一緒に舞台をつくる「まつもと演劇工場(シアターファクトリー)」の公演「GULLIVER(ガリバー)」が3月19日~21日、同館小ホールで行われる。
「松本の人たちと一緒に松本ならではの舞台をつくり上げたい」と同館芸術監督の串田和美さんが企画し、2011年に0期生からスタートしたプロジェクト。毎年、新しいメンバーを募集しながら、半年ほどかけて作品を作り上げて上演している。今回は、新しく加わった4期生とこれまでの0~3期生、合わせて21人が参加。演劇集団「TCアルプ」の細川貴司さん、佐藤卓さん、下地尚子さんや片岡正二郎さんも出演し、劇作家の加藤直さんが「工場長」を務める。
メンバーは11歳から60代まで幅広く、市内周辺を中心に、中には長野市や茅野市から通う人も。昨秋からワークショップや稽古を始め、半年かけて作品づくりを行ってきた。作品は「ガリバー旅行記」をもとに書き下ろした7つのオムニバス。「『ガリバー旅行記』は実は風刺小説。当時の社会情勢を現代に読み変えた、新しい物語になっている」と制作を担当する同館の牛山直美さん。
今月に入り、練習も本格化。せりふや動き、ダンスや歌など、丁寧に確認しながら進めている。群読の場面では、「何を言っているか分かるように、皆でしっかり合わせて」と加藤さんからの指摘も。今後は本番に向け、衣装合わせや場当たりなど、連日稽古が続くという。
上演に先駆け、「まちなか演劇工場」という企画も展開。市内9店舗で、同作のポスターを手掛けた木工作家・寺下健太さんの作品や過去の公演写真、ポスターなどを展示する。パン店「田園ベーカリー」(中央3)では、限定コラボパン「エキメッキ」(200円)の販売も。「町中企画も含め、普段劇場に来る方はもちろん、あまり来ないという方にも気軽に足を運んでもらえれば」
開演は、19日=17時、20日・21日=13時。チケットは、一般=1,500円、高校生以下=1,000円。チケット取り扱い・詳細は同館チケットセンター(TEL 0263-33-2200)。「まちなか演劇工場」は21日まで。