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安曇野ちひろ美術館で佐藤卓さんとのコラボ展 線画や立体作品で新たな魅力

「線に着目した」という佐藤さん

「線に着目した」という佐藤さん

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 北安曇郡松川村の「安曇野ちひろ美術館」(松川村西原、TEL 0261-62-0772)で現在、「はじめてみる、ちひろの世界。いわさきちひろ×佐藤 卓=展」が開催されている。

佐藤さんと同館前館長・松本猛さん

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 佐藤卓さんは「明治おいしい牛乳」などの商品デザインのほか、NHK Eテレ「デザインあ」総合指導などで活躍。「ちひろ美術館・東京」(東京都練馬区)の近くで育ったという佐藤さんは、両館のシンボルマークをはじめグラフィックデザインを手掛けるなど深い関わりを持つ。「あの絵がある空間で育ったということが、自分の背景にあると思う。描写力、表現力などあらためて見ても本当に素晴らしい」と佐藤さん。

 昨夏、東京で行われた展示を同館の空間に合わせて行う同展。佐藤さんのデザイン作品のほか、佐藤さんが選ぶちひろの作品、コラボ作品など約130点を展示する。「佐藤卓が選んだ、ちひろの絵」のコーナーでは、9400点を超える作品の中から「ちひろの描く線画」と「ちひろの描く子どもたち」をテーマにセレクト。「淡い色使いに注目されがちだが、その背景に線があるからこそ表現が生きてくる」と佐藤さん。「ちひろと佐藤卓の実験室」のコーナーでは、箱の中に絵と、その絵からインスパイアされた立体物を入れたコラボ作品「箱(ハコ)ラボレーション」を展開。箱の中の照明は照明デザイナー・面出薫さんが担当し、優しい光がともる。「絵だけを見る、空間で演出されたものを見る、その違いも楽しめる」

 佐藤さんが手掛けたデザイン作品を展示するスペースでは、「ロッテ キシリトールガム」や「S&B スパイス&ハーブシリーズ」など、なじみのあるアイテムが並ぶ。「かっこいいものだけが『デザイン』と言われるのはおかしい。道路標識や階段の高さを決めるのもデザイン」と佐藤さん。「ありとあらゆるところにデザインがあることを、子どものころから少しでも気にしてもらえれば」と話す。

 初日の17日は、佐藤さんが来館し、マスコミ向け内覧会と合わせてブロガー特別鑑賞会が行われた。ブロガーを対象にした同会は同館初の試みで、「同館スタッフとは違う目線での情報発信に期待している」と同館担当者。約10人が参加し、写真を撮りながら、佐藤さんの話に耳を傾けた。

 開館時間は9時~17時(8月8日~16日は18時まで)。第2・4水曜休館(8月は無休)。入館料は、大人=800円、高校生以下無料。9月23日まで。7月29日~8月16日は、中学生ボランティアによるワークショップとガイドツアー「ちひろの絵と箱ラボレーション」(参加費500円、1日3回)や第2・4土曜は同館学芸員によるギャラリートークも予定する。

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