信州大学の学生が作る、同大学生向けのフリーペーパー「CAmpus Bridge(キャンパスブリッジ、CAB)」がウェブ版を公開した。
今年4月に創刊10周年を迎えた同誌。これまで年5回のペースで発行してきたが、本年度からは4月と10月に冊子、7月と1月にウェブ版を出すことにした。「10周年を迎え、何か新しいことをしたいと考えたときに、ウェブ版というアイデアが上がった」と代表の同大人文学部3年生の小向佳乃さん。「卒業生や保護者など、県外でも読みたいという声もあり、より広く多くの人に届けたいと思った」と話す。
初のウェブ版となった61号のテーマは「信州の海を探せ!」。海禅寺(上田市)や「藤波寿し」(松本市)へのインタビューや、日本で一番海から遠いという佐久市田口へ訪れた様子を紹介する。「冊子のときよりもかなり自由なテーマにした。ある意味無責任で、学生だからこそできるものかもしれない」と小向さん。ほかに、学生たちによるコラムも掲載。連載や広告のページがない分、記事に集中することができたという。
今回は、冊子よりも6ページ多い34ページに。「ウェブなのでページ数に制限はないが、スマホでの閲覧を想定して、どのくらいなら読みやすいかを検討した」。冊子より読者層が若くなると考え、より「大学生目線」のデザインや文体を心掛けたという。「SNSを使った情報拡散も反応が良く、読んでくれた人からの感想も返ってくるのでうれしい」
現在、23人のメンバーが企画から取材・撮影、編集、広告の営業を行っている。「10年という歴史は重みがあるが、それにとらわれることなく、やりたいことをやれるのがCABの特徴」と小向さん。「まだまだ試行錯誤中だが、紙とウェブ、それぞれの良いところを生かしていきたい。これからも学生ならではのものを作っていければ」と意欲を見せる。