JAあづみ(安曇野市)が今月、酒造会社などと開発した摘果リンゴを使った酒「大人の林檎(りんご)リキュール」の販売を始めた。
摘果は、余分な実を摘み取り、残りの実に栄養が行き渡るようにする作業。これまで利用されず捨てられていた摘果リンゴを有効利用し、農家所得向上を狙い商品化した。今年6月に摘果された小粒の安曇野産リンゴを使用。日本酒に3カ月漬けて熟成し、リンゴの形にした瓶に詰めた。
県やJAなどでつくる「おいしい信州ふーど(風土)」松本地域活動協議会の事業で、県の元気づくり支援金を活用。大雪渓酒造(池田町)が製造、あづみアップル(安曇野市)が販売する。「摘果リンゴはポリフェノールの含有量が成熟した実に比べて高い」とJAあづみ営農経済事業部の小室博文次長。「大人の女性」をターゲットとし、商品名とラベルのデザインは、松本大学松商短期大学部の学生が考案。リキュールに合う菓子として寒天ゼリー、フィナンシェ、ブラウニーのレシピも提案し、安曇野市の菓子店「サントゥールムラカミ」が商品化するなどの関連事業も展開する。
500本を製造。「くせがなくて飲みやすい」と好評で、既に約半数が売れたという。「ロックやソーダ割り以外にも、紅茶に入れたり、ケーキなどお菓子作りに使ってもらったりしても」と小室次長。「リンゴとのセットや、ギフト向けパッケージなどの展開も視野に入れている」と意欲を見せる。
360ミリリットル入り、1,200円。現在は、あづみアップル・スイス村ワイナリーで取り扱う。来月には数量限定で長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」でも販売予定。問い合わせは同営農経済事業部(TEL 0263-72-2933)まで。