安曇野の「ギャラリー留歩(るぽ)」(安曇野市穂高有明、TEL 0263-83-6785)で現在、企画展「版画の楽しみ 2014」が開かれている。
同展では、山岳風景を題材とした木版画家として知られる畦地梅太郎さんの作品をはじめ、若手や外国人作家など17人の作品を展示。3回目の開催で、「版画の展示の時だけ見に来る方もいるくらい、版画好きの方が多い。毎回好評」と同ギャラリー店主の米澤章雄さん。
山本剛史さん(銅版・木版)は、2006年に解体された「旧国立駅舎」(東京都)と、2010年に解体された「糸魚川レンガ車庫」(新潟県)を描いた作品を出展。実際の写真も添える。建物は細かく表現され、背景に幾何学模様を用いることで、長い歴史を経て現代によみがえったような雰囲気を感じさせる。
竹崎勝代さん(木版)は版画作品のほか、使用した木版をオブジェに作り変えたものを展示。「刷ったときと雰囲気が違って面白い。保管しきれないから作品にすることを思いついたそうで、版そのものを作品にするのは珍しいと思う」(米澤さん)。松本市美術館で版画教室の講師を務める渡辺達正さんは、花にチョウが留まる姿を精密に描いた作品を出展する。
「日本は昔から浮世絵の影響もあり、版画がアートのジャンルとしてきちんと確立している。絵画に比べて比較的価格も手頃なので、楽しみやすいと思う」と米澤さん。「今とは作風の異なる作品を見られる作家のものもある。ぜひいろいろな版画の世界を体感してもらえれば」と来場を呼び掛ける。
作品は一部販売する。価格は3万円前後。営業時間は11時~17時。2月13日まで。