安曇野市豊科近代美術館(安曇野市豊科、TEL 0263-73-5638)2階で現在、「第17回 アート・クラフトフェスティバル IN 安曇野2013」が開催されている。
主催はアート・クラフトネットワーク倶楽部。ホソカワマサヒコさん(漆平面、造形)、渡辺雅夫さん(木象画、木工造形)、カミジョウミカさん(平面、ミクストメディア)、村上敏子さん(ファブリックアート)が個室を使い個展形式で作品を発表。塩島千典さん(写真)が廊下で作品を展示する。
初参加の村上さんは、35年間ファッションデザイン講師を務めた経歴を持つ。6年前から、自身が洋服を作る際に出たはぎれや、買いためていた布を使ってアート作品を制作。表現するのは抽象的なものが多い。「イメージするものはあるが、具体的な形だとモダンさを感じないので」。質感の違う生地を組み合わせたり、裏地の生地色が見えるように配置したりと、さまざまな工夫を見せる。「展示をすることで客観的に見られる。特に合同展は、ほかの参加者から刺激をもらえるので、創作意欲が湧いてくるとても良い機会」と笑顔を見せる。
4回目の参加となるカミジョウさんは、「自然」をコンセプトにした作品を多く展示。来場者が自由に触ることのできる立体作品も制作した。「平面ばかりだとお客さんが受け身なので、参加型の半立体作品を作った」。「真夜中のきみょうな星達」は、鮮やかな色合いの不思議な生物がいる「奇妙な星」を表現したもの。土台をマジックテープで覆い、生物を動かせるようになっている。
渡辺さんは、さまざまな木材を使って制作。「Tポール」は、さまざまな種類の木の端材を組み合わせた塔で、表面にしっくいを塗り廃材のように見せている。27年間にわたりプロダクトデザイナーとして活躍していた渡辺さん。「当時から、シンプルさをポリシーに制作している。感覚は体に染み付いて抜けない。これからも木の質感を生かした自己表現をしていきたい」
同団体の代表でもあるホソカワさんは「越前和紙」という手すき和紙に漆で描いた作品を出展。「ほかの和紙では、この発色の良さやつや感は表現できない」。絵手紙からヒントを得たものや、何重にも漆を重ね塗りして厚みを持たせたもの、水彩画のようなタッチのものなど、さまざまな作風を見せる。「それぞれが自由に作った作品の空間を楽しみに来てほしい」とホソカワさんは話す。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで、最終日は15時まで)。入場料は500円。10月14日まで。会期中は常時作家が滞在する。12日・13日は、隣接する「豊科交流学習センター きぼう」で作品を購入できるイベント「クラフト村」も開催する。