松本・あがたの森公園そばに「喫茶島々(しましま)」(松本市県1)がオープンして1カ月が過ぎた。
築90年ほどの民家を改装した同店。玄関の引き戸や、障子戸、縁側などはそのまま活用している。「使えるものはそのまま使い、どうしても駄目なところだけ直した」と店主の若狭章さん。8畳と6畳の部屋と押し入れをつなぎ、喫茶スペースに。縁側からは蚕糸記念公園を眺めることができる。席数はテーブル13席。
メニューはたい焼きとドリンクが中心。たい焼きは2匹焼ける型を使う「天然物」で、注文が入ってから焼く。自家製のつぶあんが入る「あんこ」や「はちみつとバター」(以上300円)、軽食感覚の「サーモンとクリームチーズとポテト」(400円)などを用意する。ほかに野菜の小鉢が付く「きつねうどん」(600円)も。
ドリンクは、「コーヒー」「ジャスミン茶」、自家製シロップの「ジンジャーエール」(以上400円)などを提供する。「ご近所」という田内屋商事(清水1)の豆乳を使用した「コーヒー豆乳」(450円)、「黒みつ豆乳」(400円)なども(牛乳への変更も可能)。「なるべく地元の素材を使いたいと思っている。今後も増やしていければ」
若狭さんは3年ほど前に仕事を辞めた後、縄手通りのたい焼き店「ふるさと」に勤務。「仕事を辞めたときは甘味所にどことなく引かれていたが、『いつか自分の店を持てればいいな』というくらいの気持ちだった」と振り返る。一昨年の冬ごろから本格的に独立を考え始め、昨年秋に物件を決め、3月から1カ月ほどかけ改装を進めてきた。
地域の人との縁や偶然の出会いなどをつなぎながら始めた同店。「自分たちができることをやっていこう」と夫婦2人で切り盛りする。店名は若狭さんが生まれ育った、松本電鉄上高地線・新島々駅の一つ先にあった「島々」から取ったもの。「いろいろな人に、くつろいで、ゆっくりしてもらえれば」と若狭さんは話す。
営業時間は9時30分~18時。水曜定休。