特定非営利活動法人SCOP(松本市中央2)が12月10日、今シーズンの松本山雅FCの経済波及効果が約24億円になると発表した。
初のJシーズンを15勝14分け13敗の勝ち点59、12位で終えた松本山雅FC。ホームゲーム1試合当たりの平均観客動員は9530人でリーグ3位を記録した。同法人は松本山雅FCと共同で、シーズン終盤にアンケートを実施。その結果や市観光温泉課のアンケートを元に、経済波及効果を試算した。
試算によると、今シーズンの消費支出総額は約21億9,000万円。内訳は、試合運営に伴う消費(警備費、遠征費、広告宣伝費、人件費など)=7億円、観戦者による消費はホーム戦に伴う消費(観客消費、グッズ消費、チケット消費)=12億7,000万円、アウェー戦に伴う消費(交通費など)=1億500万円。そのほか、所属選手・スタッフの日常的な消費=1億800万円、対戦チームの遠征に伴う消費=504万円となった。経済波及効果は、この消費支出総額を基に長野県産業連関表(2005年)を用いて測定。直接効果が約15億円、間接効果が約9億2,000万円、経済波及効果としては24億2,000万円と算出した。
JFLに所属した昨年の経済波及効果は約6億6,000万円で、約4倍という結果に。同法人が昨年12月、J昇格を決めた直後に試算した14億1,000万円という数値も大きく上回った。「24億という数字は、J1昇格経験のある新潟や仙台などの地方主要都市のクラブチームに匹敵する。ホームタウンの人口規模を考慮すると『破格の大きさ』といえる水準」と同法人の鷲見真一理事長。「ホーム側のサポーターとして県外からの観戦者が多かったことと、アウェー戦を観戦する山雅サポーターが多かったことが試算を上回る要因になった」と話す。
今回の試算においては、山雅関連イベントや商品、書籍などについては計上していない。「メディアで取り上げられる広告効果や、それによる松本地域のブランド力が向上するといった効果については測定していない。あくまで山雅が地域にもたらすさまざまな効果の一部を測定したにすぎず、実際には試算額以上の地域への経済効果があると推察される」としている。