松本市内を中心に活動する劇団「れんげでごはん」が現在、同劇団初となる県内ツアー公演を行っている。
演目は高校時代の先輩・後輩関係の女性2人を中心にした「浮遊するへや」。ある実験をしている「後輩」が、実験台になってもらうため「先輩」を呼び出す。「先輩」は訳も分からないまま、実験に巻き込まれていく。
昨年11月に開催された「まつもと演劇祭」では、300人を超える観客を動員。「松本でこれだけの人が見に来てくれたので、せっかくなら他の場所でもやってみたいと思った」と制作部の遠藤優さん(33)。「自分たちのことを知らないお客さんたちに、良さも悪さもちゃんと伝わる距離、反応がダイレクトに返ってくる距離で演じたい」と、小劇場にこだわって会場を探し、他の劇団の協力も得て、松本市の「信濃ギャラリー」のほか、岡谷市「CLUBTHE MONKEY」(8月25日)、長野市「ネオンホール」(9月15日・16日)、飯田市「CANVAS」(10月13日)の4会場での上演を決めた。
6月30日、7月1日に行われた松本公演は全席完売。「チケットを取れなかったお客さんの中には『別の会場に見に行きます』と言ってくれた人もいて…感激した」(遠藤さん)。現在は岡谷公演に向けて稽古中。松本公演での反応や演じた感覚を話し合い、役の背景設定やせりふ、メーンの女性2人以外の配役を変えるなど新たな「浮遊するへや」を作り込んでいる。
後輩役の小澤鮎美さん(25)は「大変なこともあったけど、仲間に相談に乗ってもらって演じることができた」と松本公演を振り返る。先輩役の馬渡リコさん(34)は「(小澤さんは)ガッツがある。松本公演で飛躍的に成長してくれた」とフォロー、「もっと面白い芝居になっていくはず。自分にとっても初めてのことが多いので、一緒に成長できれば」と笑顔を見せる。岡谷公演では、市川しをりさん(31)、脚本・演出も担当する加藤吉さん(35)も出演する。
「いつもと違うお客さんたちに見てもらうというのは、怖くもあり、楽しみでもある」と加藤さん。「これを機に、他の地域から松本に来て舞台を見てもらえるようになればうれしい」とも。
チケットは、前売り=1,000円(学生=500円)、当日=1,500円(同1,000円)。取り扱いは各会場、またはメールや電話で受け付ける。上演スケジュールなど詳細は同劇団ホームページで確認できる。