国宝松本城(松本市丸の内、TEL 0263-32-2902)に7月8日、甲冑(かっちゅう)武者が登場し観光客の記念撮影などに応じた。
8月8日に本丸庭園特設舞台で行われる「第29回国宝松本城薪能」のPR活動として、松本城管理事務局が企画。薪能に協賛する松本市謡曲連合会・宝生流代表の蜜澤正年さんから「能は武士のたしなみ。能の雰囲気作りのために甲冑を置いてほしい」と話があり、「飾るだけではもったいない」と着用してPRすることにした。
甲冑を着用するのは同事務局の職員。着用には2人がかりで1時間以上かかったという。着慣れてないせいか、振り上げた日本刀がかぶとに当たってしまうことも。「風は通るが、日が差すとさすがに暑い(笑)。でもめったに着られるものではないので」と、にこやかに観光客との撮影に応じた。
友人と2人で訪れていた神奈川県の会社員・白瀬智之さんは甲冑武者に囲まれて記念撮影。「いい記念になった。『暑いですか?』と聞いたら、弱音は吐けないからか暑いとは言わなかったが、苦笑いしていた(笑)」と話す。
「お城から城下町らしさを発信していきたい」と同事務局担当者。今後、観光客が増える夏休み期間には、開園時間の延長や、和服姿での来場者は入場無料にするなど、さまざまな企画を予定する。「甲冑武者は、日本人はもちろん、外国の人は特に喜んでくれる。今後も、お城にふさわしい形で活用してPRしていければ」と期待を寄せる。
「第29回国宝松本城薪能」は8月8日17時~。本丸庭園は入場無料。7月17日~8月31日は和服姿で訪れると本丸庭園・天守、市立博物館が入場無料になる。同期間の開園時間は8時30分~18時。