松本市の喫茶店「半杓亭(はんしゃくてい)」(松本市中央3、TEL 0263-33-6187)で現在、民芸面作家・宮田嵐村(らんそん)さんの作品展「RANSON+エキゾチカオミヤゲエキシビジョン」が開催されている。
今年89歳になる宮田さんがこれまで発表してきた数々の民芸面を、道神面を中心に展示する。道神面とは、悪霊や疫病などを防ぐ神様として峠や辻・村境などの道端に祭られている「道祖神」をモチーフにした木彫りや張り子のお面。暦に記載される日時・方位などの吉凶や運勢を表す暦注の一つ「十二直」になぞらえて制作する。店内には、手のひらサイズのものから60センチぐらいの大きいものまで40点ほどの作品が並ぶ。
同展は昨年に続き2回目。今回は、松本の若手作家・金井三和さん、百瀬裕子さん、ようさん工房による宮田さんへのオマージュ作品も展示・販売する。「最初は(道神面を)ちょっと怖い…と言っていたが、工房へ出向いて嵐村さんに会い話をしているうちに打ち解けたみたいで。作品はどれも個性が出た愛らしいものになった」と店長の高石則江さん。道神面をモチーフにしたストラップやコースター、器などが並ぶ。東京の映像作家・ササタニーチェさんが制作した道神面をテーマにしたDVDも販売する予定。
「最初はちょっと怖いとか怪しいと思う人もいるかもしれないが、見ているうちにかわいくなってくる不思議な感じ」と高石さん。高石さん自身も同展に合わせて道神面の形をしたクッキーを作った。「道神面の形って難しいかな…と思っていたが、作っているうちに楽しくなってきた(笑)」。来店客の1人は作品を見て「妖怪」だと話していたという。「いろいろな見方ができて面白い。道神面を知らない人にもぜひ見にきてもらえれば」。
作品はすべて販売する。価格は、道神面=2,500円~、器=1,800円~、ストラップ=850円~、手ぬぐい=1,350円、クッキー=200円など。営業時間は11時~19時。木曜と第1・3水曜定休。入場無料。5月31日まで。