「チンチン電車」をバスで再現-松本電鉄、創立90周年記念事業で

16日から市内を走っている「チンチン電車バス」

16日から市内を走っている「チンチン電車バス」

  • 0

  •  

 松本電気鉄道(松本市井川城2)は現在、3月25日に設立90周年を迎えるのを記念し、さまざまな事業を行っている。

[広告]

 同社は1920(大正9)年、筑摩鉄道として設立。1932(昭和7)年に松本電気鉄道へ社名変更し、現在は電車・バスなど交通事業をはじめ、旅行や航空サービスなど観光を中心に幅広く事業展開している。

 今月16日からは1964(昭和39)年まで市内を走っていた路面電車・浅間線のデザインを施した「チンチン電車バス」を運行。浅間線の資料が少なく、カラー写真もなかったため、同線が廃止されるときに作った模型の色を見本として再現した。木造だった車体の雰囲気を出すために縦に線を入れるなど細かい工夫も。現在、当時の浅間線とほぼ同じルートを通る横田信大循環線など3路線を運行する。

 昨年12月から運行している「赤バスメモリアル号」も好評だ。1950年代に使用していたバスの車体デザインを、同社のバスの中で最も古い84年式車両1台に再現した。路線を走るほか、同バスで日帰り旅行を楽しむ「赤バスメモリアル号旅ごよみ」を毎月企画。4月はJR篠ノ井線の廃線跡をトレッキングし、「薪バス」に乗って大町市内を周遊する「廃線跡トレッキングと懐かしの薪バス体験」を予定する。

 4枚セットの記念乗車券(900円)も発売中。写真と切符を組み合わせ、レトロな雰囲気を感じさせるデザインで、第1弾の「メモリアル号登場記念乗車券」は1996年に撮影された「現役最後の赤バス」の姿などを、第2弾「浅間線チンチン電車」は浅間線で走った電車の写真4種と、走行風景、形式図などをあしらう。

 「バスにカメラを向けてくれる人も多いし、以前の姿を知っている人からは『懐かしい』という声もある」と同社乗合営業部部長の鈴木立彦さん。「今後もさまざまなイベントを企画している。ツアーにもぜひ参加してほしい」とも。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース