松本市内のタクシー会社5社でつくる松本地区タクシー協議会が現在、年末年始のタクシー不足対策として「タクシー来たら5分以内に乗る」をキャッチコピーとしたキャンペーンを展開している。
啓発ツールとしてポスターを制作。市内在住のユーチューバー・大西祐次郎さんをモデルに起用し、頭にネクタイを巻き、つまようじをくわえたサラリーマン風の男性が「忘れ物は確認した、お会計も済ませた。タクシーは待たせない。」とかっこよく店を出るビジュアルに仕上げた。アルピコタクシー(松本市南松本1)松本支社支社長の古田哲也さんは「大西さんは市内の飲食店で飲んでいる動画をたくさん配信しているので、訴求効果に期待したい」と話す。
同協議会によると、コロナ禍前の2019年度に410台あったタクシーは、昨年度は300台と約30%減少した。飲食店などからの依頼が多い22時以降は、80台から40台に半減。「定年を延長するなど各社で対策をしているが、人手不足の解消は難しい」と古田さん。依頼が集中する時間帯は配車まで時間がかかることから、苦情を受けることもあるという。
4月ごろ、新潟県柏崎市の「守ろう!!5分以内乗車」というキャンペーンを知り、同協議会でも同様の取り組みを進めようと検討を始めた。タクシー不足を根本的に解消するものではないが、「市民の皆さんに協力していただくことで、地域の公共交通維持にもつながるのではないか」と考え、松本地域公共交通会議や松本商工会議所と共に、キャンペーンを立ち上げた。
ポスターは1000枚用意し、11月下旬から順次、市内の飲食店に協力してもらって掲示を進めている。「これから忘年会、新年会とタクシー需要が高まる時期。少しでもタクシーの効果的な利用について意識してもらえれば」と呼びかける。