
筑北村に工房を構える菊地克典さん・智子さん夫妻による「工房ととか展 季節を愉(たの)しむ」が現在、松本市のギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」(松本市深志3、TEL 0263-39-5556)で開催されている。
おわんや皿、カップ、カトラリー、カッティングボード、オブジェなど約200点を展示する。陶芸家の智子さんは、蹴りろくろで制作。今回は、和食に合う器をイメージして陶土を使い、より自然な印象に仕上げた。異なる色の陶土を組み合わせて模様を出す練り込みの技法を用いて、うずら模様や市松模様の皿や鉢も用意。「模様を抽象的にすることで、料理が映えるように意識した」と話す。
木工作家の克典さんは、ケヤキやクヌギ、トチ、カエデなど地元で取れるさまざまな樹種の木材を使用。「家でもサラダボウルや丼として使っている」というウワミズザクラは、サクラの中でも軽くて丈夫だという。あまり乾燥させず生に近い状態の木材と、1年ほど置いて熟成させた木材では、色や木目に違いが生まれるといい、「予想ができないものも多いが、そこに面白さを感じる」とも。自ら採取した漆を施した作品もある。
2人がコラボして、陶器に漆を塗った陶胎漆器の酒器も出品。ほかに、克典さんが漆を採取する様子や、2人の作品に料理を盛った写真を紹介するファイルも置く。
同店での展示は3回目。「小さな蔵という展示空間に、しっくりくるものをイメージして制作した」と克典さん。智子さんは「じっくり見て、手に取ってもらえれば」と呼びかける。
価格はカップ=2,420円~、小皿=2,750円~、浅鉢=3,850円~など。営業時間は11時~19時。月曜・火曜定休。7月27日まで。