
松本市は万が一の事態に備えて、遺言状の保管場所や埋葬の希望など「終活情報」を事前に登録できる事業を6月1日、始めた。
対象は市内在住者で、年齢は問わない。登録できる内容は、緊急連絡先のほか、エンディングノートや遺言書の保管場所、臓器提供の意思、墓の所在地など。スマホのロック解除方法など事前に家族などに伝えておきたい内容も自由登録事項として受け付ける。登録者が亡くなったり事故や病気などで意思表示できなくなったりした際に、指定した人に登録内容を開示する。
申請は、市高齢福祉課または西部福祉課に電話などで連絡を入れて窓口で行う。オンラインも対応するが、申請後、窓口で本人確認が必要。登録者にはマグネットの登録証を交付する。
一昨年、市政に関する意見を募る「市長への手紙」で要望があったことがきっかけ。市によると4月時点全国15自治体が同様の事業を行っているという。県内では初めて。
市では、終活を「元気なうちから人生の終末について考え、準備をする活動」と捉え、事前に自身の希望を文章で記録する「リビングウィル(事前指示書)」の取り組みなどを、地域包括支援センターや医師会と協力して進めている。市健康福祉部高齢福祉課の香西崇さんは「登録だけではなく、相談にも対応している。終活というキーワードが気になる方は、気軽に足を運んでほしい」と話す。