
アルピコ交通上高地線の沿線風景写真集「地に足をつけて」が4月12日、発売された。
2023年7月に写真集「そこに人がいるから」を自主制作した小林智樹さんが手がけた第2作。自身が松本で大学・大学院時代を過ごした2018(平成30)年4月から2025年2月までに撮影した65点を掲載する。
写真は、同線沿線の四季を主題に、人々の暮らしが見えるものをセレクトした。小林さんは「花や動物に加えて、山に向かう人々や三九郎など沿線特有の季節を感じるシーンを選んだ。上高地線そのものというよりは、上高地線が走る地域の暮らしが伝わるように意識した」と話す。
前作が完成した時には、2作目の構想はなかったという。昨夏、卒業後は鉄道関係の出版社に就くことになり、「県外に移住する前に、『松本暮らしの卒業制作』をしたいと思った」と振り返る。学業を優先し、本格的に制作に取りかかったのは今年に入ってから。掲載する写真を選んだ段階で、途中に文章を挟まないほうがまとまると考え、冒頭から写真を並べる構成にし、最後に1編のエッセーを収めた。
現在は東京で暮らす小林さん。今後も表現活動を続けて、上高地線の魅力を発信し続けたいという。「学生時代のように、暇さえあればとはいかないが、これからも上高地線に足を運びたい。そうじゃないと気が済まないので」と笑顔を見せる。
B6変形判、80ページ。価格は1,650円。同線の新島々駅、波田駅、新村駅のほか、市内の「本・中川」(元町1)、「ブックスエコーロケーション」(女鳥羽1)、「books電線の鳥」(城東1)、「想雲堂」(大手4)、「cafe七十二候」(島内)でも扱う。