
企画展「イランのキリム~遊牧生活から生まれた織物展~」が現在、松本・中町の「松本民芸家具 中央民芸ショールーム」(松本市中央3、TEL 0263-33-5760)で開催されている。
イランの南西部で作られたキリムを中心に、ギャッベの椅子敷きなども含め、約130点を展示する。キリムのサイズは大小さまざまで、最も大きいものは368センチ×261センチ。織りでグラデーションを表現したシンプルなものから、細かい手刺しゅうを施したものまで用意する。
使っているのは、羊の毛を刈って紡いだ糸で、自生する植物で草木染をしている。文様も多彩で、目玉やオオカミの口を模したものは、魔よけやお守りの意味があるという。モチーフを複数組み合わせたものや、絵画のように樹木を描いたものもあり、部族の特徴が表れている。同店の島田政輝さんは「女性が家事の合間に、自分たちが使うために作っているものだが、自身を表現する場にもなっていると思う」と話す。部分的に立体感を出したり、縁に飾りを付けて仕上げたりと、細部まで工夫が施されている。
同店では毎年夏に「ギャッベ展」を開催。昨年3月には椅子敷きに特化した展示を行った。今回は、ギャッベよりも手頃なキリムも紹介したいと考えて企画。予想以上に点数がそろったので、キリムをメインにしたという。
キリムは平織りで軽いため、イランでは、壁にかけたり間仕切りにしたり、パンをこねる際や食事の時に敷いたりとさまざまな用途で使われている。「1枚あると部屋の雰囲気が変わるので、新生活や春の模様替えなどにもお薦め。実際に手に取って手仕事の良さを感じてほしい」と島田さんは呼びかける。
価格はキリム=2万7,500円~、バッグ=4万5,100円~など。営業時間は9時30分~17時50分。3月23日まで。