10代から60代までの8人がソロのダンス作品を披露する「おどりば」が来年1月18日、まつもと市民芸術館(松本市深志3)で行われる。主催はダンスカンパニー「Nect(ネクト)」。
プロジェクトでは9月に、身体表現に興味がある人や自分の心と体に向き合いたい人を、経験の有無を問わず募集。翌月からダンサーの二瓶野枝さんと矢萩美里さん、劇作家の藤原佳奈さんの3人がメンターとして出演者を支援し、創作を行ってきた。当日は、小学生や商店主などさまざまな背景を持つ8人が、作品を上演する。
2022年に同カンパニーが行ったダンス公演で、ソロの踊りを出演者各自が創作するという試みを行ったことをきっかけに、ダンス経験を問わず参加者を募って取り組む作品作りと発表の場を企画。昨年は上田市で行い、16人が参加した。同カンパニーの分藤香さんは「踊りはダンサーに限らず、あらゆる人たちの表現になり得ることを感じ、あらためて踊りの持つ力を目の当たりにした」と話す。2回目となる今回は、よりじっくりと向き合いたいと参加者を半分に絞り、創作活動を進めてきた。
12月15日には、同館で中間発表を行った。舞台上での位置や音出しのタイミングなどを確認した後、8人それぞれが舞台に立って踊った。出演者の一人、市内で古書店「books電線の鳥」を営む原山聡矢さんは、歌の経験はあるがダンスは初めて。昨秋、あがたの森公園で上演した劇団「野らぼう」のダンス&芝居公演を見たのを機に、筑北村で行われた3泊4日のワークショップに参加するなど、ダンスの世界に引き付けられていったという。「表現方法の一つとしてダンスがあることを知り、技術や能力とは関係なく表現を楽しめるのではないかと思って参加を決めた」と振り返る。
当日は、同館芸術監督でダンサー・演出家の倉田翠さんをゲストに招いたトークイベント「おどりばのかたりば」も開催する。分藤さんは「ダンスは難しい、よく分からないというイメージを持っている人にも気軽に見てもらえれば。分かりやすさが求められ、評価される今だからこそ、見て、感じるだけで伝わるものがあるはず」と呼びかける。
16時開演。料金は前売り一般=2,500円、高校生以下=1,500円。予約はウェブで受け付ける。