朝日村の家具作家、工房隣にギャラリー開設-6年越しの念願果たす

藤牧さん(写真左)と田中さん(写真右)。ぬくもりのある木の作品と、シンプルで使いやすい陶器に囲まれて。

藤牧さん(写真左)と田中さん(写真右)。ぬくもりのある木の作品と、シンプルで使いやすい陶器に囲まれて。

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 朝日村に11月1日、ギャラリー「Style Galle(スタイル・ガレ)」(東筑摩郡朝日村、TEL 0263-99-2492)がオープンし、現在「木と陶の手仕事 二人展」が開催されている。

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 同展は、同ギャラリーのオーナーで家具作家の藤牧敬三さんと、松本市内で作陶活動をしている田中一光さんの二人展。ギャラリー内には藤牧さんの作った食器棚やテーブル、いすを配置し、田中さんが作った器を飾る。

 藤牧さんは朝日村の出身。松本民芸家具で修業した後、10年ほど前に独立した。「ずっと『職人』に徹していた」という藤牧さんだが、「自己表現をしたい」という気持ちは持ち続けていたという。朝日村に工房を構えてオーダーメードの家具を作る傍ら、6年ほど前から少しずつ準備を始め、念願のオープンにこぎ着けた。

 藤牧さんがギャラリー「ゆこもり」(松本市浅間温泉)で、田中さんの器を購入したことが同展開催のきっかけ。「最初はテーブルコーディネートのために飯わんを買ったが、もっとたくさんあるといいなと思って。でもすべて購入するわけにはいかないので…じゃあ、一緒に展示してもらえばいいかなと(笑)」(藤牧さん)。すぐに連絡を取り、翌日には田中さんの工房へ向かい、そのまま田中さんをギャラリーへ連れてきた。「素敵な場所だったので」と田中さんが即決し、同展の開催が決まったという。壁には「アトリエ10colours」(安曇野市)の菊池均さんのパネルやタペストリーを展示。菊池さんのパネルも近所のカフェで見かけ、「ぜひ」と声をかけた。「自分の気に入ったものを展示したいという気持ちがあった。お二人に声をかけて本当に良かった」(同)。

 「家具単体ではなく、空間ごと提案できるように作ってきた」と藤牧さん。「家具は使ってなんぼのもの。空間になじむかどうかが大事。浮くものもダメだし、存在感がなさすぎるものもだめ」とも。藤牧さんの作品と、「普段使い」を意識して作陶している田中さんの作品は相性が良く、しっくりとなじみ、居心地のいい空間を作り出している。今後も「人の手で作り出したクラフトを置いていきたい」と藤牧さん。「一度来てくれた人がまた来てくれるような展示をこれからも企画していきたい」とクラフトのPRに意欲を見せる。

 同展では、はし(700円~)などの小物から丸座卓(54,000円~)など大型のものまで約40点の家具と、茶わん、カップ、皿など60点の焼きもの、約10点のパネル・タペストリーを展示・販売する。

 営業時間は10時~18時。入場無料。今月30日まで。

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