イランの遊牧民の生活から生まれたキリムの作品展「ペルシャのオールド・キリム」が8月3日まで、「ギャルリ灰月(かいげつ)」(松本市中央2、TEL 0263-38-0022)で開催されている。
キリムとはウールやヤギ、ラクダなどの毛を手作業で織り込んだもので、「オールド」とは製作後50年から100年未満の作品のこと。黒や茶の糸は素材そのものの色で、赤や青、緑などの糸は草木染によるもの。その鮮やかさは、落ち着いた色合いのキリムに彩りを添えている。
同店には、キリムとペルシャじゅうたん専門店「インテリアウエスト」(大阪市住之江区)の協力で約30点を展示している。実際に使われていたものを洗濯した後に、穴や破れなどをつぎはぎなどで「修理」するのではなく、幅広く糸を解き、もう一度織りなおす「修復」を行っている。「修復」の跡がほとんどわからないほどの細かい作業が、キリムを美しい状態によみがえらせているという。
「デザートキリム」というデザインのものが多く、布の両端から中心に向かって細長い山のようなものが連なっているのが特徴。同店オーナーの滝澤充恵さんは「砂漠のある国なので、砂をイメージしたものなのでは?」と話す。そのほかにも動物を刺しゅうしたものや、何色もの鮮やかな糸で幾何学模様を織り込んだものなどさまざま。長年使われてきたために布が柔らかく、落ち着いた色合いになっており、めくると裏面はとても鮮やかな状態で残っている。
「『アンティーク』だと高くて購入できないし、状態がいいものがあまり残っていない。今回展示した『オールド』だと比較的手に入りやすい金額で、状態もいいものが多い。『ニュー』という比較的新しいものも数点ある。実際に手にしてみてほしい」と滝澤さん。
キリムは販売も行う。オールド=64,000円(94×53センチ)~、ニュー=30,000円(114×97センチ)~。
営業時間は、日曜・月曜・火曜=11時~18時30分、木曜・金曜・土曜=10時30分~19時。入場無料。水曜定休。
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