松本市を舞台にした漫画が原作の映画「orange-オレンジ-」が12月12日、全国で公開され、松本シネマライツ(松本市高宮中)で凱旋(がいせん)イベントが行われた。
同作は、松本を舞台にした青春純愛ストーリー。高校2年生の主人公・高宮菜穂のもとに未来の自分から手紙が届き、その内容に動揺しながらも行動していく様子や思いを中心に、同級生6人の姿を描く。出演は土屋太鳳(たお)さん、山崎賢人さんら。作者の高野苺さんは県内出身で松本在住。撮影はオール県内ロケで、市内ではあがたの森公園や縄手通り、松本城などで行われた。
イベントには、土屋さん、山崎さん、竜星涼さん、山崎紘菜さん、桜田通さん、清水くるみさんのキャスト6人が駆け付け、タイトルにちなんで用意された約40メートルの「オレンジカーペット」を歩いて登場。約100人が旗を振って出迎えた。それぞれがあいさつをした後、撮影で訪れた四柱神社の宮司・宮坂信廣さんが映画の大ヒットを祈願した絵馬を贈った。
その後の舞台あいさつには、橋本光二郎監督も加わり7人で登壇。観客は「おかえりなさい」の大歓声で迎えた。「公開日に松本に来ることができてうれしい。演じたというより、皆で生きた、『愛情のバトン』のような作品。皆さんとつながるバトンでもある」と土屋さん。「今を大事に生きよう、仲間を大事にしようと思ったし、それを伝えられる幸せな作品になったと思う」と山崎さん。
凱旋の感想を聞かれると、「『おかえり』と言ってもらえてうれしかった」「松本の皆さんは温かい。ご飯もおいしい」「楽屋におやきが置いてあった」と和気あいあいとした雰囲気。印象に残った場所についても「四柱神社。お祭りにも行った」「松本城でスーパームーンを見た」「うなぎも、そばも、馬刺しも食べた。たい焼きもおいしかった」と思い出が尽きない様子で語り合った。
最後にコメントを求めると、「思ったことを諦めずに伝えるということが(作品の)テーマなので、思ったことを言ってもいいですか?」と前置きした土屋さん。感極まって言葉を詰まらせながらも、「主役は菜穂だけではなく、皆であり、皆との友情だと思う。皆がいなければ、菜穂を演じることもできなかった。だから…私一人じゃなくて、皆で感謝を言いたい」。7人が手をつなぎ、「ありがとうございました」と締めくくった。
同作は現在、同館とアイシティシネマなど県内7劇場で上映中。