浅間温泉の「手仕事扱い処GALLERYゆこもり」（松本市浅間温泉3、TEL 0263-46-2066）で現在、栢野（かやの）紀文さんの個展「栢野紀文陶展IV Let’s enjoy colorful carnival！2」が開催されている。

陶製のスツールや椅子などの作品も

　同ギャラリーでの個展開催は4回目。皿やマグカップ、急須、酒器、花器など約120点を展示する。栢野さんの作品は、色鮮やかな釉薬（ゆうやく）を使ったポップな絵付けが特徴。模様の入れ方や、マグカップの取っ手や急須のふたの形など、使い勝手を考えた工夫も施す。楕円（だえん）形のモーニングプレートは、マグカップや小皿との組み合わせも楽しめる。「一見、派手に見えるが、意外と何にでも合わせやすいし、丈夫でとても使いやすい」と同ギャラリーの瀧沢一以さん。

　同展に合わせてスツールと椅子も制作。スツールは、円柱状のものを削って作っているという。「何か面白いものを作ってほしいと喝を入れたら、期待以上のものが出てきて『さすが』と思った」と瀧沢さん。「何を作ろうか考えたときに、オブジェではなく、使えるものがいいと思った」と栢野さん。試作のために作ったひな形・マケットも展示する。

　栢野さんは岡山県出身。1998年、愛知県常滑市に移り陶芸家・吉川正道さんに師事し、2004年に独立。古田織部を主人公に描いた漫画「へうげもの」（山田芳裕著）のスピンアウト企画として活動する若手の陶芸作家集団「へうげ十作」のメンバーとしても活動している。

　「普段使いの器と、そうではない大型のもの。両方作ることは難しい面もあるが、緊張感もあって、それぞれの作品にもいい影響があると思う」と栢野さん。「今は、作品も岐路というか、過渡期にあるのだと思う。だからこそ、その中で生まれてくる作品もある。これからもオリジナルなものを作っていきたい」と話す。

　作品は全て販売も行う。小皿＝1,800円～、酒器＝3,000円～、マグカップ＝3,500円～、スツール＝4万円、椅子＝5万円など。営業時間は10時～18時。木曜・金曜定休。入場無料。今月29日まで。28日は栢野さんが在廊予定。