松本・中町通りのギャラリー「GRAIN NOTE(グレインノート)」(松本市中央3、 TEL 0263-32-8850)で現在、陶芸家・田中一光さんの個展「田中一光うつわ展 青の主題による変奏曲 第4変奏」が開催されている。
皿やカップ、ポットなど約200点を展示する同展。同ギャラリーでの個展は8回目となる。「青」をテーマに制作を続けている田中さん。年々試行錯誤を繰り返し、水色や濃紺など変化を付けた「青」を展開してきたほか、アイボリーや茶色などの「新色」も発表してきた。
同展では新たに柄物の作品を多く展示。模様は水玉やストライプがメーンで、それぞれ色の組み合わせ方で変化を付けている。「水玉はお客さんからのリクエストがきっかけで作り始めた。ストライプは、ラインをきれいに出すのがとても難しい。無地のものの2倍は時間がかかる」。アイテムの新作としては、ビアマグとワインカップを用意する。優しい曲線が特徴的で「球体を感じられるようなものが作りたくて。形にこだわった」。どちらも模様付きと無地の2種類を展示する。
従来の定番作品も並ぶ。好評だという黒のシリーズは、偶然が生み出したもの。「本当は焦げ茶色を作ろうとしたが、焼き上がってみたら黒くて…。淡い色の作品が多いので、ポイントとして引き締めてくれるので、結果的によかった。焦げ茶色もいつかは作りたい(笑)」
化粧土をはけで塗って模様を描く技法を用いている田中さん。「もともと模様付きの作品を作りたくて(はけ塗りを)始めたが技量が足りなかったため、なかなか発表できなかった。ようやく作れるようになってきた。自分の中で『技術革命』が起こった」と話す。今後は「あめ色に発色する『飴釉(あめゆう)』にも挑戦してみたい」と意欲を見せる。
作品は全て販売する。皿=1,890円~、カップ=2,310円~、ワインカップ=3,675円~など。営業時間は10時~18時。入場無料。3月31日まで。期間中は、田中さんが在廊する。