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松本の美術教師が個人収集の民芸品展-木の雑器61点を展示

木の民芸品が並ぶ会場

木の民芸品が並ぶ会場

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 松本市の蔵造りギャラリー「中町・蔵シック館」(松本市中央2)の2階で現在、市内の高校で美術教師を務める竹下賢一さん(60)が集めた民芸品を展示する「竹下賢一・木の雑器展2012」が開催されている。

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 同展は、竹下さんの民芸品コレクションの中から、国内外の木工芸品61点を展示するもの。現在、竹下さんが生活の中で使っているものも多い。展示品は小箱や神棚などの小さいものから、タンスやちゃぶ台などの大型のものまでさまざま。「樹皮布」はコンゴのもので、木からはいだ樹皮をたたいて伸ばし布にしたもの。描かれた模様のほか、木の節も模様の一部となっている。チリの民族楽器「レインスティック」は、乾燥させた長いサボテンの中に小石を入れたもの。傾けると中の小石がサボテンの内側に当たり、雨のような音が鳴る。

 ちゃぶ台は、竹下さんの妻(57)の親の世代から使われてきた品。「かれこれ60年近く使っている。3人の子どもと夫婦、家族5人でこのちゃぶ台を囲んでつい最近まで食事をしていた」と竹下さんはほほ笑む。脚を畳んで収納できる構造で、素材は木のみ。「昔は狭い家で暮らしていたから、卓を収納してそこに布団を敷いて寝ていた。当時の生活が見えるよう」

 2009年には同所で鉄製の民芸品だけを集めた展示を行ったという。「この建物が素晴らしい。この空間で展示したら民芸品も喜ぶような気がして」と竹下さん。「家の雰囲気にも似ていて、まるで家にお客さんを招いているようで落ち着く。次は陶器だけの展示をしたい」

 「使っていくうちに美しくなっていくもの、それが民芸品だと思う。ここにあるのは『使われた美しさ』を持つものばかり。木は特に使うほどに艶が出るので好き」と竹下さん。「ぜひ気兼ねなく手に取って見てほしい。何に使われたかわかりづらいものもあるので(笑)、気軽に質問していただければ」とも。

 開催時間は9時~19時。入場無料。8月19日まで。問い合わせは竹下さん(TEL 080-2389-3121)まで。

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