松本・今町通りのセレクトショップ「Simon's & Co. (サイモンズ&コー)」(松本市大手2、TEL 0263-35-5656)が6月25日に1周年を迎えた。
同店は、店主の下西紘司さんが「流行物ではなく、質が良く、永く着られる商品を提供したい」と選んだメンズ・レディス服、バック、雑貨などのアイテムを扱う。下西さんは関西出身で松本には地縁もなく、アパレル業界も初めてという状態での開業。「0から1までの距離は、1から2までの距離とは比べ物にならない」と、この1年は休むことなく店を開けた。「単なる洋服店ではなく、店を通じて人とのつながりをつくりたい」と下西さん。「お客さんをはじめ、周りの店、そこで知り合った人から人へとつながりが広がっていくのを実感した1年でもあった」と話す。
6月半ば、常連客の一人、信州大学理学部4年の三村昌子さんが中町のカフェ「amijok(アミジョク)」の小島剛さんに「1周年の記念になるようなことをしたい」と話したことがきっかけで、「1周年を祝う会」の企画がスタートした。「せっかくだから、下西さんを驚かせるような楽しいことをしたいと思った」と小島さん。無地のパズルに小島さんが絵を描き、そのパズルを1人1ピースずつ下西さんに渡し、最後にパズルの枠を贈って組み立ててもらうことにした。フェイスブックにグループを作って呼び掛けると、多くの賛同者が集まった。
当日、前日までに「amijok」で受け取ったピースを封筒に入れて、各自が同店を訪れ、下西さんに渡した。営業時間終了間際に三村さんや小島さん親子などが駆け付け、まずはパズルの枠を贈呈。「皆が『開けるな』『開けたらもう来ない』と脅迫するので、何かと思っていたけど…」と下西さん。一つずつ封筒を開けて組み立てると、趣味のギターを手にした下西さんの絵が完成した。「今日は朝からお祝いを言う人がひっきりなしに来てくれて。休む暇もなく本当に疲れているんだけど(笑)。でも、言葉にならないくらいうれしい」。拍手が沸き起こると「まるで引退するみたい(笑)。ずっと休まずに来たが今日はたくさん飲んで、目覚ましをかけずに寝たい」と笑顔を見せた。
店内には、サプライズ企画とは別に贈られた花やプレゼントも。同店の名前は、大学時代の下西さんのあだ名「サイモン」と、「~と仲間たち」を意味する「&コー」を組み合わせて付けたという。「1年間でたくさんのすてきな人に出会うことができた。その人たちの期待に応えるべく、2年目を楽しみたい」と下西さんは話す。
営業時間は12時~20時(土曜・日曜・祝日は11時~)。7月からは火曜定休。