信州大学の学生有志が作るフリーペーパー「隙間(すきま)」の第5号が3月10日、発行された。
創刊は2010年4月。メンバーは入れ替わりながら、10人ほどが制作・編集に携わってきた。5号は、同大学人文学部の1~4年生と、市内の高校生を加えた8人で制作。4号の発行からは1年ほど時間が空いた。「同じペースで出すことも考えたが、ちょっと違う形にしたいと思った」と同学部4年の新美正城さん。これまでは30ページほどだったが、5号は100ページのボリュームに。「これまで『もう少しページが欲しかった』と思うことが多かったので思い切った(笑)」と同学部4年の江良薫さんは話す。
今号のテーマは「つながる/つなげる」。ポップについて再考する「『ポップ』がなんだか息苦しそうだ!」、作り手3人にインタビューを行った「クラフト/工芸の、作り手と使い手」、メディアに関わる人たちに話を聞いた「つなげる人たち」の3つの特集を中心に、インタビュー、漫画、座談会などさまざまな形式で構成する。
創刊から中心になって活動してきた2人は5号について、「結果的に総まとめのようなものになった」と振り返る。「自分たちが疑問に感じていることを直接聞きに行く。そして聞いたことに対して自分たちが誌面上で考えていく。何となく原点に戻ったような感じがする」と江良さん。「書くことは面白かった。さすがに書きすぎの感じはあるけど(笑)」と新美さん。
中心となって活動していた4年生3人が抜け、同誌は休刊となる。「続けるかどうかという話はずっとしてきた。抜ける側としては続けてほしいと思っていた時期もあるが、今は休刊でいいかな」と新美さん。「また何かの拍子に復活することもあると思う。フリーペーパーというかたちかどうかはわからないけど…」とも。
「休刊前ということで、かなり力の入った100ページになった」と江良さん。「ぜひ手にとってもらって、何か感想をもらえるとうれしい」
発行は3000部。松本市内を中心に県内で配布している。