松本のギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」(松本市深志3、TEL 0263-39-5556)で現在、オリジナルブランド「vapor trail.(ベイパートレイル)」を展開する河西美和さんの作品展「いろんなはじまり」が開催されている。
河西さんはリネンや麻、帆布などの生地をメーンに使用した作品を制作している。同展では、カードケースやブックカバーなどの小物をはじめ、オブジェやバッグなど240点を展示する。
新作の帆布バッグは、トートタイプ、ショルダータイプ、レッスンバッグのような薄いタイプを用意。表面のポケットは、洋服のように横から手を入れられるような作りになっている。「昔の洋服の特集記事を見ていて印象的だったので、バッグにも取り入れてみた」と河西さん。
家や葉っぱ、リボンなどを刺しゅうした作品が多い。同じ家でも、道と家が一筆書きのようにつながっていたり、さまざまな大きさの家が重なっていたりと工夫を施している。煙突から出る煙をボタンで表現するなど、ほかの素材と組み合わせたものも。
東日本大震災から1年がたとうとしている今、「また新しい思いの1年が始まろうとしている」と感じ、同展のテーマを「いろんな始まり」にしたという。「自分自身がこうやってもの作りをしているきっかけを振り返り、続けていられることのありがたさを感じている。気持ちを新たに作り続けていけたら」と河西さん。それを受けて同展では、河西さんがもの作りを始めたころの作品や、家モチーフが好きになったきっかけの布なども併せて展示している。
「いろいろな始まりの中で、私の作品で少しでも心が穏やかになってくれたらうれしい」と河西さん。「新しいことが始まっていくイメージから、最近は双葉の刺しゅうを入れた作品をよく作っている。皆さんにたくさんの『幸せの芽』が出るように祈っている」とも。
作品は販売も行う。カードケース=1,300円~、ブックカバー=2,000円、シュシュ=600円、バッグ=3,800円~など。営業時間は11時~20時。火曜と第1・第3月曜定休。入場無料。3月26日まで。