松本の印刷会社「藤原印刷」(松本市新橋、TEL 0263-33-5092)が、受注額の一部を若者の就労支援を行うNPO法人に寄付する社会貢献活動「キフ印刷」をスタートした。
印刷物を受注すると、受注額の一部をNPO法人「育て上げネット」(東京都立川市)に寄付する。受注単価は従来のままで、同社が捻出して生まれる差額を寄付金に。寄付額は受注額の1%未満~数%程度までを見込む。受注後、寄付の予定額を発注者に伝え、希望に応じて印刷物にロゴマークを刷り込むなど、社会貢献活動やCRS活動に役立ててもらう。日本では初の取り組み。
同社の東京支店の社員が、就労や社会参加のサポートなどを通じて若年者の自立を支援する同NPOの活動に賛同して企画。身近な「印刷物」を利用することで、中小企業や個人でも気軽に取り組んでもらえるようにと考えた。「印刷費用はこれまでと同額で、加えて社会貢献活動ができる。新たに予算を取らずにCSR活動に取り組めることもメリットになる」と経営企画室の藤原隆充さん。
今月からスタートし、現在はNPOなどの利用が多いという。「CSR活動や寄付などの活動が世の中に定着しつつある中で、少額でも『ちょっといいことをした』という気持ちになってもらえれば」と藤原さん。今後は寄付先を増やして、発注者が選べるようにするなどの展開も見据える。「始まったばかりの取り組み。これからもっと周知活動に力を入れて定着させていきたい」