
株式会社アベストコーポレーション(代表取締役:松山 みさお)は、長野県白馬エリアへの参入から10周年を迎えました。この節目に、白馬の地域課題を解決し、持続可能な観光地を共創するプロジェクト「白馬ヴィレッジ構想」を始動いたします。
私たちは2015年の参入以来、冬季に観光が集中する「季節依存型」からの脱却を目指し、通年型リゾートへの転換に挑み続けてきました。「白馬ヴィレッジ構想」の始動に先立ち、2025年12月には旗艦ホテル「ホテルアベスト白馬リゾート」を「TOKI RESORT HAKUBA」へとリブランドいたしました。

白馬は世界的なスノーリゾートとしての評価がある一方、観光の大半は冬季に集中し、春から秋にかけては人の流れが途絶える「季節依存型」の観光地です。スキーシーズンが終われば稼働率は大きく落ち込み、雇用も季節雇用が中心となっています。
そうした状況の中で、
「白馬は本当に冬だけの場所なのか」という疑問こそが、私たちの白馬参入の原点でした。雄大な北アルプスの自然、温泉、静けさ、白馬には四季を通じて“滞在する価値”が存在する。世界中のスキーヤーを魅了する「JAPOW*」、そして極上の「アスピリンスノー」。その可能性を信じ、短期的なブームではなく腰を据えた地域参入を選んだのが10年前です。
*「Japan」と「powder snow」を掛け合わせた造語
しかし、当時の白馬は決して完成されたリゾートではありませんでした。施設の老朽化が目立ち、冬が過ぎれば人影が絶えるという厳しい現実は、外部からの新規参入組にとって決して容易な環境ではなかったのが実情です。私たちが手がけた施設も、新築や好立地といった恵まれた条件からのスタートではありませんでした。
■閉鎖や廃業の危機だった施設の魅力を発見し、体験価値を再構築
アベストコーポレーションの白馬での歩みは、新築のホテルを建てることではなく、既存資産のポテンシャルを見極め、役目を終えようとしていた場所を「再生」させることから始まりました。
最初に手がけた「TOKI RESORT HAKUBA(旧 ホテルアベスト白馬リゾート)」はエイブル白馬五竜のベースセンター「エスカルプラザ」まで徒歩1分という好立地物件を競売によって取得しています。「白馬龍神温泉 RYOKAN SUI(旧 白馬龍神温泉 なごみの湯宿)」は冬季は富裕層や長期滞在のインバウンド向けに日本文化体験を、夏季は国内のファミリーやペット連れに避暑地での癒しをそれぞれ提供する温泉旅館ですが、以前は閉鎖されていた日帰り温泉民宿でした。また、「ホテルアベスト八方Aldea」も、長期滞在のインバウンド向けにバラエティに富んだ食事を選べる泊食分離型対応のサウナ付きホテルですが、取得当時は後継者不在や老朽化などの課題を抱えており、それらを引き継いだ物件です。

TOKI RESORT HAKUBAのレストラン会場

白馬龍神温泉 RYOKAN SUIの囲炉裏

ホテルアベスト八方Aldeaのバーカウンター
■地域と向き合い、信頼関係を築き上げてきた10年
当然ながら、これまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。老朽化した施設の改修には想定以上のコストがかかり、閑散期の厳しい稼働状況にも直面しました。何より、
「外から来た企業が、本当に白馬のことを考えているのか」という、地域の方々との信頼関係をゼロから築き上げていくプロセスは、一朝一夕にはいかない大きな壁でした。それでも私たちが決して撤退を選ばなかったのは、白馬が持つ本質的な価値を確信していたからです。地道に地域と向き合い、対話を重ねることで、少しずつ白馬の一員としての歩みを進めてまいりました。
2015年の「ホテルアベスト白馬リゾート」オープンを皮切りに、2017年には「白馬龍神温泉 RYOKAN SUI」・「ホテルアベスト八方Aldea」を展開し、3施設によるドミナント戦略を実行してきました。
この10年で私たちが重視してきたのは「スキー客を増やすこと」ではなく、「
スキーをしない人も白馬に滞在する理由をつくること」です。焚き火を囲む夜、雪景色を眺める温泉、ワーケーション需要への対応。こうした「心身を整える」・「余白を楽しむ」・「非日常な仕事環境」といった、新たな滞在価値を育ててきた結果、昨シーズン比256%増、コロナ前比(2019~2020年)でも141%増という、大幅なV字回復を達成。地方観光の新たなロールモデルとしての実績を築いています。
参入10周年の集大成として、2025年12月に、「ホテルアベスト白馬リゾート」を、「TOKI RESORT HAKUBA」へと刷新し、新たな歩みを始めました。ブランドコンセプトである「白馬の時の流れ(TOKI)を慈しむ」を軸に、世界水準のマウンテンリゾートにふさわしい高付加価値な滞在体験を提供します。
富裕層や長期滞在層、そして拡大するインバウンド需要など、多様化するお客様のニーズに深く応えることで、白馬を「訪れる場所」から、心から「滞在したくなる場所」へと進化させてまいります。

2024年の冬季営業時(名称変更前)

2025年の冬季営業時(名称変更後)
私たちは、自社施設の成長にとどまらず、白馬エリア全体の持続可能性を高める「白馬ヴィレッジ構想」を推進します。
「白馬ヴィレッジ構想」は、これまでの実績を基盤に、次の10年を見据えた地域共生の新たな指針となるものです。
■「白馬ヴィレッジ構想」の6つの柱
1. 3拠点の拡張
特性の異なる3拠点(TOKI RESORT HAKUBA、白馬龍神温泉 RYOKAN SUI、ホテルアベスト八方Aldea)が連携し、エリアの回遊性を向上します。これにより、お客様の移動中の消費が増加する、新たな店舗出店の呼び水になるなどの変化を見込みます。
2. 宿泊形態の多様化
トレーラーハウスや民泊事業を展開し、多様な宿泊ニーズに対応します。冬は全国屈指の降雪量を誇る白馬ですが、夏は20℃前後で過ごせる絶好の避暑地であり、トレーラーハウスでも快適に過ごせるベストシーズンです。現在は、断熱性が高く冷暖房完備のトレーラーハウスも市場に出ており、夜間の冷え込みが激しい春・秋でも快適にご利用いただけます。
3. 「夕食難民」の緩和と交流拠点の創出
当社は「白馬龍神温泉 RYOKAN SUI」に「焼肉 松山」を併設しています。飲食店を増設し、観光客の利便性向上と地域住民の交流拠点を創出します。
4. 通年雇用の確立
現在は冬季・夏季の二季営業を行っておりますが、通年営業の開始により季節雇用の課題を解消し、人材の定着と育成を実現します。全国で展開するすべてのホテルで最も大切にしている「おもてなし」を白馬に訪れるお客様にこれまで以上に体験していただきます。また、白馬で暮らす方に向けて、働きがいのある安定した雇用を創出することを目指します。
5. 温泉ウェルネスの推進
温泉は日本が世界に誇る観光資源の一つであり、その魅力は国内外の観光客を、旅の疲れから開放します。露天風呂に浸かりながら日本酒を楽しんでいただく「湯けむり酒」を提供している白馬龍神温泉 RYOKAN SUIを軸とした、心身を整えるウェルネスプログラムを開発します。
6. 事業承継と地域の発展
後継者不足に悩む事業の継承も視野に入れています。10年先もにぎやかで、白馬に訪れる方からだけでなく、そこで暮らす方からも愛される地域づくりの一助になるホテル経営を実践します。
「白馬ヴィレッジ構想」を絵に描いた餅に終わらせないため、私たちは現場レベルで以下の3つの具体的な取り組みを実装しています。次世代を担う経営メンバー自らが白馬に入り、現地で事業を推進しています。
1. 多国籍チームによるグローバル運営
多様な国籍・文化背景を持つスタッフを積極的に登用しています。単なる言語対応にとどまらず、各国の生活習慣や宗教上のニーズ、食の多様性などを深く理解したスタッフが、日本ならではの細やかな「おもてなし」を融合させることで、国内外すべてのゲストが心から寛げる環境を整えています。
2.「DX × 対面」のハイブリッド対応
多言語対応アプリやスマート決済などの最新テクノロジーを導入し、スムーズな手続きを実現する一方で、人による温かな対面接客を大切にしています。白馬龍神温泉 RYOKAN SUIおよびホテルアベスト八方Aldeaでは、お客様のご出発時に「切り火」によるお見送りを行っています。旅の安全や無事を祈る日本古来の慣習を取り入れた演出として、体験価値創出を目的とした取り組みです。効率化とホスピタリティを両立させることで、ストレスフリーで上質な滞在体験を提供いたします。
3. 3拠点を結ぶ独自の送迎ネットワークの構築
白馬における大きな課題であるエリア内の移動に対し、私たちが運営する3拠点を結ぶ独自の送迎ネットワークを構築しています。拠点間の移動をスムーズにすることで、白馬の街全体を一つの大きな滞在空間として回遊できる仕組みを整えています。

白馬と共に歩むこれからの10年を見据え、私たちはあえて地域の「厳しい現実」から目を背けないと決めています。観光地として注目を集める一方で、白馬は気候変動やオーバーツーリズム、地域文化の希薄化、そして深刻な後継者不足といった多くの課題に直面しているからです。これらの問題に正面から向き合い、解決への道を切り拓くことこそが、私たちの責任であると考えています。
■四季を通じて選ばれる、白馬の新たな価値を創造
温暖化による降雪の不確実性は、スノーリゾートにとって避けて通れない課題です。だからこそ、私たちは「雪」という季節限定の価値に依存せず、四季を通じて選ばれる白馬づくりを推進しています。温泉や雄大な自然、滞在そのものを目的とするリトリートなど、冬が短くなっても揺らぐことのない魅力を次の10年でさらに磨き上げてまいります。
■観光を「消費」ではなく「未来へつなぐ」仕組みへと転換
観光が伸びるほど地域の文化が失われていく、国内外の多くの観光地が直面してきた課題に対し、私たちは単に外部資本を投下するだけの開発は行いません。地元の皆さまと手を取り合い、白馬ならではの景観や食文化、人々の営みを次世代へ守り継ぐことこそが、私たちの使命です。観光を地域の文化を消費するものではなく、支え、未来につなぐ仕組みへと変えていきます。
■後継者不足の解消と「共生」への決意
現在、白馬では後継者不足により、歴史ある宿が閉館を余儀なくされるケースが少なくありません。私たちは、そうした宿の歴史や想いを受け継ぐ「事業継承」を重要な役割と捉え、地域全体の活気を守る選択肢を広げてまいります。また、急激な価格高騰により一部の富裕層だけが楽しむ場所(いわゆるニセコ化)を目指すのではなく、地域の人々が住み続け、働き、誇りを持てる場所であることを最優先します。地域と共にあるリゾートこそが、結果として世界中から長く愛される場所になると信じているからです。

本部長 松山 亜聖
株式会社アベストコーポレーション 本部長
松山 亜聖
白馬に惚れて10年。私たちが目指すのは、四季を通じて世界中の人々が訪れ、そこで働く人々が誇りを持てるリゾートです。2026年のリブランドとヴィレッジ構想を通じ、白馬の真の魅力を世界へ発信し続けます。
白馬五竜ゴンドラ乗り場まで徒歩5分。四季折々の壮大な自然を遊び尽くすためのリゾートホテルです。冬は世界屈指のスノーリゾート、春夏秋は山・川・空を楽しむアクティビティの拠点として、年間を通じて大自然を満喫いただけます。

TOKI RESORT HAKUBA
館内では天然温泉や信州の旬を味わう料理をご用意。客室は和洋多彩なタイプを揃えており、様々なニーズに合わせてお選びいただけます。徒歩3分の場所に、日用品からお土産まで買える「エスカルプラザ」があり、滞在中の利便性も抜群。充実の設備とおもてなしで、都会の喧騒から離れた快適なリゾートライフを提供いたします。
「TOKI RESORT HAKUBA」概要
住所:長野県北安曇郡白馬村神城22199
客室数:41室
ご予約・お問い合わせ先:0261-85-2892
アクセス:JR大糸線「神城駅」から徒歩20分
※JR神城駅から、TOKI RESORT HAKUBAより徒歩1分のエスカルプラザまでの無料シャトルバスもご利用いただけます
公式サイト:
https://www.hotelabest-hakuba.com/
「白馬龍神温泉 RYOKAN SUI」は 、白馬最大級の温泉旅館です。美しい山々の中から湧き出る源泉かけ流し湯による温泉や信州の神「龍神」に想いを馳せた独創的で上質な客室により、お客様も繰り返し訪れたくなる癒しの時間をご提供しています。

白馬龍神温泉 RYOKAN SUI
「白馬龍神温泉 RYOKAN SUI」概要
住所:長野県北安曇郡白馬村神城 21396
客室数:23室(2階建て)
ご予約・お問い合わせ先:0261-85-2803
アクセス:JR大糸線「神城駅」より徒歩約5分
公式サイト:
https://www.hakuba-ryujin.com/
白馬村はスキーリゾート地として世界中の観光客に親しまれており、特に冬のシーズンには多くの外国人観光客が訪れる人気のエリアです。「ホテルアベスト八方Aldea」は、日本の伝統技法と和モダンデザインを取り入れた空間づくりを進めることで、国内外のお客様に「信州」と「日本」の魅力をより深く感じていただけるような滞在をご提供いたします。

ホテルアベスト八方Aldea
「ホテルアベスト八方Aldea」概要
住所:長野県北安曇郡白馬村北城4878-3
客室数:31室
ご予約・お問い合わせ先:0261-72-6114(受付時間 10:00~17:00)
アクセス:JR大糸線「白馬駅」より車で約10分
公式サイト:
https://www.hotelabest-happo.com/
株式会社アベストコーポレーションは、兵庫県神戸市に本社を構え、全国で21施設のホテル運営・管理を行う企業です。2003年の設立以来、独自の運営ノウハウと柔軟なサービスで、地域や施設ごとに最適なホテル経営を実現してきました。 当社では、地域の子どもたちや高齢者の方々と「食」を通じて繋がる取り組みとして、各地で「こども食堂」を継続的に実施しています。また、「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」への寄付により、全国のこども食堂へお米を届けています。地域に根ざした場所をつくること、既につくられた場所を応援することを通じて、誰もが安心して集えるあたたかな場づくりを目指しています。
・こども食堂:
https://www.abest.jp/news/2024/news0925.html
・SDGs活動:
https://www.abest.jp/sdgs.html
〈会社概要〉
社名:株式会社アベストコーポレーション
代表者:代表取締役 松山みさお
設立:平成15年10月
本社:〒650-0042兵庫県神戸市中央区波止場町6-1
事業内容:ホテル運営事業・シニアビジネス関連事業など
URL:
https://www.abest.jp/