日本初のイエナプランスクール認定校「大日向小学校・中学校」を運営する学校法人茂来学園(長野県南佐久郡佐久穂町大日向1110番地、理事長 中正 雄一)と同校の保護者(※)有志は、一般社団法人もらいパートナーズ(長野県南佐久郡佐久穂町大日向2119番地、代表理事 庄司紀子 以下、「もらいパートナーズ」)を設立いたしました。
大日向小学校・中学校は、開校以来「児童生徒、保護者、教職員、理事」の4者が対話をしながら共につくってきた学校です。新設の私立学校として学びの場を経営・運営をしていくのに多額の資金と大きなリソースが必要となるなか、保護者はボランティアや個人事業で学校の活動に参画してきました。今後さらに発展的な活動を行うには法人の設立が有効だと考えた有志が学園に相談し、両者の合意のもとで法人設立が実現しました。今後は保護者や地域の方々の力を持ち寄り、放課後の居場所づくりや学校施設の維持管理などの教育活動を側面から支える活動を実施し、学校の力強いパートナーとして、役割を果たしていきます。
※保護者には、在学中の児童生徒の保護者のほか、卒業生の保護者も含みます。
1.茂来学園の活動に係る支援事業
・アフタースクール「ひなたぼっこ」の運営
保護者の個人事業として行っていた事業を移管。
・大日向小学校・中学校の施設等の維持管理
清掃や植栽整備などを受託。
・中等教育学校設立準備に関わる業務
2026年4月に開校予定の大日向中等教育学校に関して、校庭整備や校内清掃等を受託。
2.保護者ならびに地域の人材活用事業
保護者や地域住民の方々の多様なスキルやノウハウを可視化し、活躍していただくための人材バンク制度「もらいさん」の運用。
3.賛助会員募集事業
当法人の活動を後押しするために資金や知見を提供してくださる賛助会員を募り、コミュニケーションの場をつくる。
・子ども・教職員・理事・保護者が共につくる学校
大日向小学校・中学校が依拠する「イエナプラン」は、ドイツ発祥、オランダで発展した教育ビジョンで、その中には学校を「生と学びの共同体」とし、保護者と学校がオープンに協働しながら、よりよい学校を共同でつくっていくという考え方があります。
日本の小学校、中学校では初めてイエナプランスクールとして認定された大日向小学校・中学校でもこの考え方を大切にし、子ども、理事も含めた4者が対話を重ねながら、学校をつくってきました。

廃校になった公立小学校の校舎を活用して開校した大日向小学校

子ども・保護者・教職員・理事が学校の課題や未来についてフラットに語り合う「学校セッション」での一場面
・保護者の積極的な参加
学校にPTA組織はありませんが、学校が開く対話の場で4者がフラットに意見を伝え合うほか、保護者は自主的にプロジェクトを立ち上げ、子どもたちの学びや学校運営に資する活動を行ってきました。
また、大日向小学校・中学校に子どもを通わせるために都市部から移住してくる家庭が多いため、寒冷地特有の暮らしのノウハウなども含む生活面でのサポートも、保護者有志で実施をしてきました。
・保護者が運営するアフタースクール
保護者による共助の象徴的な存在が、小学校開校翌日に有志でスタートしたアフタースクール「ひなたぼっこ」です。


これまで6年あまり、子どもたちと保護者が話し合いながら、自分たちに合った放課後の過ごし方を形作ってきました。周囲の自然環境を活かし、地域の方々との交流なども取り入れた地方ならではのアクティビティは、他にはない「ひなたぼっこ」の魅力です。
しかし、中心で活動してきた保護者の子どもが卒業を迎えるなど、継続的に活動を続ける仕組みづくりに課題も見えてきました。これからも子どもの居場所を守っていくために、一般社団法人もらいパートナーズが今後の運営を担うことにいたしました。
・ボランティアだけでは難しい課題を解決する主体としての法人設立
このように4者の関係性を築き、実践を重ねる中、より良い学校をつくっていくためには自主プロジェクトや個人では解決できない課題も見えてきました。法人による事業として取り組むことで解決できることがあると考え、茂来学園と保護者有志による一般社団法人の設立に至りました。
学校が位置する佐久穂町および近隣地域の事業者や住民の方々との関わりを深めること、地域に貢献することは、子どもたちが学ぶフィールドであり将来の「ふるさと」となる場所を、より魅力的で持続可能な場所にする、大事な活動だと考えます。
「もらいパートナーズ」は「事業内容」に挙げた各事業を軌道に乗せつつ、地域の課題解決につながる事業の可能性を模索し、関係者との協議・協力のもとで事業化を目指していく予定です。
<茂来学園理事長 中正 雄一コメント>
茂来学園は、大日向小学校開校当時より、児童生徒、保護者、教職員、理事の4者が対等な立場で、対話を重ねながら学校づくりを行なってきました。特に、立ち上げ間もない混乱期から、保護者の皆さまが、主体的に学校運営に関する活動をサポート(アフタースクールの立ち上げ、校庭遊具の自作、プルーン畑の運営、休み時間の見守り、さらには送迎バスの利用料算出にいたるまで)してくださったことは、大きな喜びとともに驚きでもあり、新しい学校運営の可能性を感じてまいりました。このたび保護者有志から提案をいただき、もらいパートナーズの設立に至りましたが、PTAとは異なる法人としての関わり方は非常に斬新で、かつ、今まで学校づくりを共にしてきた本校の保護者ならではのユニークな形態だと思っています。この学校と保護者との新しい関係の仕組み化が、全国の学校が抱える学校運営に関する課題解決の1つとなればと期待しています。
<もらいパートナーズ代表理事 庄司紀子コメント>
「子どもたちが将来、ここで学んだこと、卒業したことを誇れる学校として存続していてほしい」大日向小学校に子どもが通う一保護者として、そんな思いを常日頃から抱いていました。保護者同士で何かできないか話をしていた時に「大学の生協みたいに、児童生徒や教職員の学校内での生活の支援ができれば、我が子のみならず、他の子どもたちも、そして、これから入学してくる子どもたちも安心して学びに向き合うことができるのではないか。その環境を整えることは、学校だけでなく保護者も積極的に汗をかくべきでないか」という話になり、保護者の多様なリソースを活用する1つの形として、法人化が実現しました。茂来学園ともらいパートナーズが色々な場面で色々な関係者との架け橋になりながら、「誰もが、豊かに、そして幸せに生きることのできる世界をつくる。」ことに邁進できればと思っています。
【法人概要】
法人名: 一般社団法人もらいパートナーズ
主たる事務所:長野県南佐久郡佐久穂町大日向2119番地
代表理事:庄司紀子
理事:青木雅樹、岩崎丈、長尾彰、八塚絵里
監事:逸見悠
事業内容: 教育支援業務
設立: 2025年4月1日
HP: https://www.morai-partners.or.jp
【設立目的】
学校法人茂来学園(以下、茂来学園)の活動の中心である「子ども・教職員・理事・保護者」に1番近い存在(パートナー)として、学園内での活動(教育活動を除く)をサポートし、<建学の精神>を共に実現することを目的とする。
【法人概要】
法人名: 学校法人茂来学園
主たる事務所:長野県南佐久郡佐久穂町大日向1110番地
理事長: 中正雄一
事業内容: 小中学校の運営
設立: 2018年12月26日
(小学校開校2019年4月、中学校開校2022年4月)
HP:https://www.jenaplanschool.ac.jp/
建学の精神「誰もが、豊かに、そして幸せに生きることのできる世界をつくる。」




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