書籍の買取・販売をおこなう株式会社バリューブックス(本社:長野県上田市、代表取締役:鳥居希)は、2024年1月に公式YouTubeチャンネル「積読チャンネル」を開設し、当社社員の飯田光平が視聴者の積読を増やすことをコンセプトに、毎週月・金曜日17:00に本を紹介する動画を配信しています。近年、出版不況が深刻化する中、YouTubeを活用した新たなアプローチにより、1本の動画で漫画8,000冊を完売、これまでに紹介した新刊を含め年間累計13,542冊を売り上げました。
出版業界が直面する課題
近年、日本の出版業界は紙媒体の売上低下と書店数の減少という深刻な課題に直面しています。1996年のピーク時には2兆6,564億円だった紙の出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は、2023年には約60%減少し、1兆612億円となりました。さらに、書店数も年々減少傾向にあり、2023年度の総店舗数は全国で1万918店と、10年前の1万5,602店から約30%減少しました。この結果、全国の約27.9%の市区町村には書店が存在しない状況です(参考:経済産業省ウェブサイト『METI Journal』 https://journal.meti.go.jp/p/35879/ 経済産業省の統計データに基づく)。このような中で、読者と本をつなぐ新たな手法が求められています。
1本の動画で同人誌8,000冊が完売
2024年9月13日(金)に「積読チャンネル」が配信した第52回「翼が生えた少女はどう治療すべき?SF医学マンガの傑作を紹介します。」では、永田礼路氏の同人誌『螺旋じかけの海』を紹介。動画公開後、わずか数時間で当社販売サイトにて初回入荷分1,000冊が完売し、その後も予約販売を通じて累計8,000冊の販売を達成しました。
動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=8g0UElp_c_g
8,000 冊完売までの道のりを語る note が話題に
完売を受け飯田が執筆したnote記事「1本の動画で8,000冊の本を売った話」も注目を集め、1,247件もの“スキ”を獲得しました。(2025年3月4日現在)
note URL:https://note.com/kyurikko/n/nf717f198842d
年間累計13,542冊を販売!紹介後、重版に至った書籍も。
2024年12月31日時点で「積読チャンネル」は1年間に83本の動画を配信し、計119冊の新刊を紹介しました。紹介した書籍はバリューブックスの販売サイトと連動しており、年間累計13,542冊の売上げを達成。弊チャンネルで紹介したこともきっかけの一つとなり、重版に至った書籍も多数あります。
▼重版された書籍(一部)※出版社五十音順
・『酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明か した依存症の話』(株式会社太田出版)
・『世界の研究者が調べたすごすぎる実験の図鑑』(株式会社カンゼン)
・『なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか』(株式会社青土社)
・『カルトのことば』(株式会社白揚社)
・『アメリカは自己啓発本でできている』(株式会社平凡社)
・『ある行旅死亡人の物語』、『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版株式会社)
「積読チャンネル」で本が売れる4つのポイント
YouTubeには多くの書籍紹介チャンネルがありますが、「積読チャンネル」は以下のような独自のアプローチで視聴者の支持を集めています。
1.多彩なジャンル紹介
小説やビジネス書にとどまらず、エッセイ、ノンフィクション、短歌など、さまざまなジャンルを紹介することで、幅広い読者層にリーチしています。
2.書店員ならではの選書力と訴求力
バリューブックスの書店員こと飯田光平が自ら選書した本を紹介。単なるあらすじ紹介ではなく、おもしろい箇所を抽出し、自身の視点を交えて感想を語っています。1時間にわたり1冊をじっくり深掘りすることで視聴者の「読んでみたい」という意欲を生みやすく、それが実際の購買行動へと結びついています。特に、商業流通に乗らない同人誌の8,000冊完売は、その影響力の大きさを表しているといえます。
3.フラットな組織がもたらすスピード感
当社は、社員一人ひとりが自主的に判断し、柔軟に行動できるフラットな組織体制です。稟議などの複雑な承認プロセスも設けておらず、選書から出版社(または著者)との交渉や発注・追加発注まで、飯田をはじめとする「積読チャンネル」チームメンバーの裁量で進めるなど、視聴者の反応に対しスピード感ある対応が可能となっています。
4.購入特典の提供
バリューブックス公式サイトで書籍を購入した視聴者には、特典としておまけ動画を提供。これにより、「せっかくならバリューブックスで購入しよう」という動機が生まれ、販売促進につながっています。
今後の展望 (飯田光平コメント)
積読チャンネルは、面白い本と出会いたい人たちの楽しい情報源になることを目指しています!今後は、すでに刊行されている本だけでなく、出版社や著者と連携して「これから世に出る本」をプッシュする、新刊発売時のブースターのような存在にもなっていきたい。さらに、各ジャンルに詳しい書店員をメンバーに加えていき、書店員チームとして番組を盛り上げていく予定ですので、どうぞお楽しみに!
積読チャンネル概要書店員があなたの積読を増やしていくチャンネルです。次に読む本を探している方に、おすすめの1冊をお届けします!
・チャンネル登録者数50,300人
・動画総再生数4,941,083回
(2024年12月31日時点)
URL:https://www.youtube.com/@tsundoku-ch
飯田光平プロフィール株式会社 VALUE BOOKS 所属。書店員が次に手に取る本をおすすめする YouTube 番組「積読チャンネル」を運営。スポンサード先である「コテンラジオ」「ゆる言語学ラジオ」「ゲームさんぽ」などのコラボ担当も務める。
株式会社バリューブックス
長野県上田市を拠点とし、「日本および世界中の人々が本を自由に読み、学び、楽しむ環境を整える」をミッションに書籍の買取・販売を行うオンライン書店です。その他にも、実店舗「本と茶 NABO」、「Valuebooks Lab.」や移動式書店「ブックバス」の運営、本を無償で届ける「ブックギフト」や本を通した寄付事業「チャリボン」、二次流通における利益の一部を出版社に還元するシステム「バリューブックス・エコシステム」、古紙回収される本を活用した「本だったノート」の制作や、出版活動の第一弾として『B Corpハンドブック よいビジネスの計測・実施・改善』を手掛けるなど、よりよい本の循環を目指して事業を展開しています。2024年10月にはB Corp認証を取得しました。
会社概要
会社名 :株式会社バリューブックス
代表取締役社長 :鳥居 希
本社 :〒386-1102 長野県上田市上田原680-17
資本金 :900万円
設立 :2007年7月6日
事業内容 :書籍の買取・販売、実店舗「本と茶 NABO」・
「Valuebooks Lab.」運営、寄付事業、制作・出版事業
コーポレートサイト:https://corporate.valuebooks.jp/