生涯で何度も名前を変えた北斎が「葛飾北斎」の名前を用い始めた40代後半、主に活躍していたのが読本挿絵の分野です。様々な怪力の人物は古今東西の物語に登場しますが、江戸の読本の世界でも力持ち達が驚くべき怪力を発揮して物語を力強く彩りました。北斎は、登場人物たちの怪力を挿絵の中で迫力満点に描いています。
また、70代後半の北斎は、『和漢絵本魁』やその続編『絵本武蔵鐙』など武者絵の絵手本を出版します。それらの中で北斎は「すべて勢ひを画んには風流古雅をはぶき俗意にして画く」と迫力ある人物の描き方について自身の画法を説明しています。
本展では、北斎の版本作品を中心にこういった怪力の表現に注目します。風景画や美人画だけではない北斎の迫力ある人物表現の魅力をお楽しみください。
怪力の魅力
The Allure of Superhuman Strength
【会期】2024年11月16日(土)- 2025年1月19日(日)
【開催時間】午前9時から午後5時まで(ご入館受付は閉館30分前まで)
※1月1日は時間短縮開館 午前10時~午後3時まで
【会場】北斎館(長野県上高井郡小布施町大字小布施485)
【入館料】大人1,000円 高校生500円 小中学生300円
【休館日】12月31日
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見どころ
1. パワフルなストーリーとその表現
人食い?を退治したり、弓矢で大きな岩を砕いたり、怪力の登場人物たちのエピソードはいつも豪快です。読本の世界のパワフルなストーリーは、北斎の挿絵と共鳴しながら江戸の読者を魅了しました。
『絵本漢楚軍談』初輯巻之三より「黒龍馬と化して里人を脳す」
『椿説弓張月』後編巻之一より「為朝荒磯に船を陸へ遣る」
『新編水滸画伝』巻之二十一より「武松景陽岡上に大?を撃」
2. 北斎流、迫力ある人の描き方
70代の北斎は『和漢絵本魁』など武者絵の絵手本を発表しますが、その中で「すべて勢いを画んには風流古雅をはぶき俗意にして画く」(『絵本武蔵鐙』)と自身の画法を説明しています。 本展では読本挿絵だけでなく、こういった絵手本類からも、怪力の表現をご紹介します。
『和漢絵本魁』より「樊?巾鉄門を破」
『北斎漫画』九編より「近江国貝津ノ里傀儡女金子カ力量」
『北越奇談』巻之五より「行光寺の住僧両牛の争ひを止む」
イベント
学芸員によるギャラリートーク
【開催日】11月23日(土)、12月14日(土)、1月11日(土) 各回14時~
【参加費】無料(予約不要。要入館券)
キッズルーム「水戸久斎」 Mitokusai?s Playroom
2024年8月、北斎館に新たなプレイスペースがオープンしました。室内を冨嶽三十六景に描かれた場所を廻るような感覚で遊ぶことができたり、波をイメージしたボールプール、北斎漫画が立体的に再現された遊び場などでお子さまが保護者の方と一緒に遊んでいただける空間です。和の伝統と感性が詰まった北斎館キッズルームへ、ぜひ一度お越しください。
(デザイン 水戸岡鋭治氏 × 空間設計 砂田光紀氏)
ご利用案内
対 象:1歳~未就学のお子様と保護者の方
料 金:お子様お一人につき300円(付き添いの保護者の方へは入場者カードをお渡しします。)
水戸久斎 詳細はこちら
北斎館 50周年記念ロゴ
お問い合わせ先
一般財団法人 北斎館
TEL:026-247-5206
https://hokusai-kan.com/
Instagram:https://www.instagram.com/thehokusai_kanmuseum/